篠塚和典が巨人投手陣を分析 菅野智之復活の理由、優勝争いのキーマン、ドラ1ルーキーの起用法は? (3ページ目)
【ルーキーの西舘は「このまま先発に」】
――開幕当初はリリーフ陣が手薄だったこともあり、その一角を任されていたドラ1ルーキーの西舘勇陽投手が、8月23日の中日戦でプロ入り初の先発登板。しかし、5回6安打4失点と課題が残りましたね。
篠塚 大学の時は主に先発でしたね。チーム事情でリリーフからスタートしましたし、先発登板の時はあまり心の整理ができていなかったような気もします。再びファームで、緩急をつけるピッチングを課題に取り組んだり、フォームを調整したりしているようですが、西舘はこのまま先発に専念させたほうがいいと思います。開幕当初と違って今はリリーフの枚数が揃っていますし、ある程度安定してきていますから。
今年だけのことではなく、来年以降を考えれば先発をしっかりやらせたほうがいいですし、本人にもはっきりとそう伝えて気持ちを整理しやすい状況にもっていったほうがいいかなと。
――優勝争いが佳境を迎えているなか、投げるほうでキーマンを挙げるとすれば?
篠塚 菅野は安定しているので崩れる心配はありません。そういう意味では戸郷と山﨑の出来がカギを握るんじゃないですか。いいピッチングをした次の試合で崩れることをなくしたいですね。
菅野以外の先発が、それぞれあと何回投げるかはわかりませんが、勝ち星を先行させていかないと。残り試合を負け越すピッチャーが多いと苦しくなっていきますからね。今季はガンガン点が取れるチームではないですし、いかに最少失点に抑えていくかがポイントになるでしょう。
【プロフィール】
篠塚和典(しのづか・かずのり)
1957年7月16日、東京都豊島区生まれ、千葉県銚子市育ち。1975年のドラフト1位で巨人に入団し、3番などさまざまな打順で活躍。1984年、87年に首位打者を獲得するなど、主力選手としてチームの6度のリーグ優勝、3度の日本一に貢献した。1994年に現役を引退して以降は、巨人で1995年~2003年、2006年~2010年と一軍打撃コーチ、一軍守備・走塁コーチ、総合コーチを歴任。2009年WBCでは打撃コーチとして、日本代表の2連覇に貢献した。
著者プロフィール
浜田哲男 (はまだ・てつお)
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。
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