高木豊が注目するセ・リーグの有望選手4人 中日のタフな先発投手、12球団で「総合力が一番」のショートも (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――ほかに期待している野手はいますか?

高木 広島の矢野雅哉(4年目)です。

※8月14日時点の成績・・・96試合、打率.246、出塁率.310、0本塁打、24打点、9盗塁

――昨季から出場機会が増えましたが、今季はより飛躍しましたね。

高木 まずバッティングに関しては、使われ続けることで成長してきたなと。最近では右ピッチャーでも左ピッチャーでも関係なく使われるようになってきていますし、信頼に応えています。

大学時代(亜細亜大)から粘り強いバッティングが長所でしたが、ここ最近は粘りに磨きがかかってきました。そもそもこういったタイプの選手が、大学時代からあっさりとしたバッティングをしていたら、レギュラーは張れていませんけどね。

――ショートの守備はどうですか?

高木 小園海斗が広島のショートとして君臨していくと思っていたのですが、そこをこじ開けましたね。それだけ守備力が優れているということ。スローイングも正確ですし、肩が強いので内野安打を許すこともない。守備範囲も広いですし、12球団を見渡してもトップクラスのショートじゃないですか。捕るだけだったら源田壮亮、スローイングなら今宮健太が一番うまいと個人的に思っていますが、総合力は矢野が一番だと考えています。

 それと、矢野の守備には"迫力"を感じるんです。昔、池山隆寛(元ヤクルト)が出てきた時のショートの守備に迫力を感じたことがありましたが、そう思わされたのは久しぶりです。まだまだ伸びしろを感じますし、走攻守すべての面での活躍が期待できる数少ない選手のひとりだと思います。

(パ・リーグ編につづく>>)

【プロフィール】
高木豊(たかぎ・ゆたか)

1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・ 横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのヘッドコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に開設したYouTubeチャンネルも人気を博している。

■元プロ野球選手のYouTuberのパイオニア

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著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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