高木豊がセ・リーグ6球団の前半戦を総括 混戦から抜け出しそうな上位チーム、下位の巻き返しの可能性は? (6ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

【ヤクルト】

 村上宗隆と山田哲人の調子が上がらず、ドミンゴ・サンタナが左足を痛めて離脱......これでは他のチームに置いていかれます。ヤクルトは打線でなんとかしなければいけないチーム。開幕前からピッチャー陣は手薄だとわかっていたわけですから、打てないとどうにもできません。トップバッターとして申し分ない塩見康隆の長期離脱も痛いですね。

 打つほうでポジティブな要素がなかなか見当たりません。宮本丈や丸山和郁らはいい働きを見せる時もありますが、打線がなかなか噛み合わないんです。本来であれば破壊力があるチームなのですが......。

 数字的に優勝の可能性がないとは言えませんが、今の状態であれば気運が上がってこないというか、なかなか活路が見出せません。塩見、サンタナと外野が2枚抜けているのは痛いですし、山田も先発で出たり出なかったりといった状態では厳しいです。

 (7月21日の)DeNA戦では、ホセ・オスナのサヨナラヒットで乱打戦のシーソーゲームを制しましたが、そうやって打ち勝って勢いをつけていくことが大事。そして先発ピッチャーに白星をつけていくこと。いずれにせよ、ヤクルトが上昇するカギは打線です。村上や山田がいかに復調できるかでしょうね。

(パリーグ編:Aクラス争いはどうなる? 最下位・西武の後半戦の戦い方にも言及した>>)

【プロフィール】
高木豊(たかぎ・ゆたか)

1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・ 横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのヘッドコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に開設したYouTubeチャンネルも人気を博している。

■元プロ野球選手のYouTuberのパイオニア

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著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

【写真】読売ジャイアンツ「ヴィーナス」オーディション密着取材・フォトギャラリー

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