高木豊がセ・リーグ各球団の交流戦を総括 「最も勢いをつけた」チームは? (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

【投打で活躍が目立ったのは?】

――選手個人について、交流戦で目に留まったバッターは?

高木 巨人のエリエ・ヘルナンデスです。バッティングに力みがなくてコンパクトですね。日本に来たら長打を期待されて大振りになる外国人選手も多いですが、おそらくマイナーリーグでプレーしていた時と同様の感覚でやっていて、いい意味でホームランとかはあまり考えていないのかなと。変化球も冷静に見極めていて追っかけませんし、コンパクトなバッティングでつないでくれるのでどんな打順でも任せられます。

阿部慎之助監督も「外国人選手だからホームランを期待する」という感じではないですし、阿部監督が実践しようとしている、つないで1点を取る野球にも合っていると思います。守備に関しては特段うまいとは思いませんが、無難にこなしていますね。

――ほかに活躍が目についたバッターはいますか?

高木 阪神の前川右京です。交流戦でプロ初ホームランも出ましたし、ひとつ抜けたんじゃないですか。高校時代にホームランも打ってきたバッターなので、一発が出ないうちはモヤっとしたものがあったと思うんです。それがやっと打てたということで、今後は変な力みや意識がなくなるはずです。

――ピッチャーに関してはいかがですか?

高木 同じく阪神ですが、才木浩人は抜群でしたね。3回登板して3勝。阪神は交流戦で7勝しましたが、窮地を救いましたよね。安定感がありましたし、どのチームに対しても才木のピッチングは通用しました。あとは、広島の大瀬良大地もよかったです。ノーヒットノーランの試合以外では勝ちがつきませんでしたが、3試合(23イニング)投げて1点しか取られていませんし、非常に安定していました。

――先ほど名前を挙げたDeNAの石田投手はいかがですか?

高木 やっぱり真っすぐがいいですよ。真っすぐのキレと投げっぷりがよくて躍動感がありますし、見ていてわくわくするピッチャーです。先ほども話しましたが、ジャクソンやケイも試合を作ることができていますし、DeNAは先発陣が安定してきているので今後が楽しみです。広島も交流戦ではいい戦いぶりを見せていましたが、交流戦で流れをつかんで勢いをつけたチームを挙げるとすれば、やっぱりDeNAですね。

――宮﨑敏郎選手も(6月18日に)一軍に合流しました。

高木 牧秀悟、筒香嘉智、タイラー・オースティン、宮﨑の4人のうち、ひとりをローテーションで休ませながら起用しても十分戦えます。牧は若いから常時出るでしょうが、たとえばハッスルプレーのオースティンが、前の試合でハッスルしすぎていると思えば休ませればいい。長期の休みは痛いですが、数試合なら誰かがカバーできますよ。宮﨑がいなくても7連勝できるくらいのバッター陣ですから。

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