ベイスターズの下位指名選手はなぜ育つのか? 河原隆一が語るドラフト戦略と選手獲得秘話 (4ページ目)
下位指名の意外性。河原氏も冒頭で語っていたが、これこそがドラフトの醍醐味であろう。下位指名ばかりではなく、DeNAはアマチュア時代にケガをした選手を徹底的に調べ大丈夫だと判断したら積極的に獲得をしたり、ポジションがかぶっていても戦力となり得る選手だと思えばコンバートを視野に入れ積極的に指名し、また動作解析の専門家が選手の動きを分析して将来性を評価するなど、王道だけではない独自性のあるスカウト活動をしており、それがチームカラーに反映されているように感じられる。
「すべてはリーグ優勝、日本一になるためです。即戦力の指名はもちろん、数年後を見据えながらアマチュア選手しかり、プロ選手のトレードやFA、外国人選手の獲得など、打てる手はすべて打っていきたいと思います」
河原隆一(かわはら・りゅういち)/1971年8月10日、神奈川県生まれ。横浜商、関東学院大を経て、93年のドラフトで大洋(現・DeNA)を逆指名して1位で入団。プロ入り後は制球力に苦しみ、サイドスローに転向するなど試行錯誤を繰り返したが、2004年に現役を引退。引退後は横浜の球団職員に転身し、スカウトとして活躍。24年からはプロスカウティングディレクターに就任した。
著者プロフィール
石塚 隆 (いしづか・たかし)
1972年、神奈川県出身。フリーランスライター。プロ野球などのスポーツを中心に、社会モノやサブカルチャーなど多ジャンルにわたり執筆。web Sportiva/週刊プレイボーイ/週刊ベースボール/集英社オンライン/文春野球/AERA dot./REAL SPORTS/etc...。現在Number Webにて横浜DeNAベイスターズコラム『ハマ街ダイアリー』連載中。趣味はサーフィン&トレイルランニング。鎌倉市在住
フォトギャラリーを見る
4 / 4