ヤクルト奥川恭伸が絶望の日々を乗り越え2年ぶり一軍マウンドへ「やめようと思ったことも」 (4ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya

5月26日 西武戦(戸田)/7回(100球)、5安打、4奪三振、2四球、2死球、2失点

「まだ気持ちの入り方の部分でブランクを感じています。どうしても『立ち上がりを抑えないといけない』『まとめないといけない』と思ってしまうところがあります」

 序盤は常にランナーを背負う投球だったが、要所は締めた。

「前回のイライラはちゃんとその日だけにして、翌日には頭を冷静にしてダメだったところの修正に取りかかりました。バッターから見やすいというか、打ちやすいフォームになっていたので、そこは修正してきました」

 この日の最速は151キロ。終盤になっても衰えることはなかった。

「球数もピッタリ100球で、7回を投げきることができた。一軍は行きたいですけど、そこは上の方の判断ですので。今日は要所要所でいい球がいきましたけど、その確率をもっと高めていきたい。その感覚を忘れないというよりも、常に求めるような感じで投げたいなと思います。そういう意味で、今後ファームでは自分が納得できるボールというか、一軍で勝負できる球やフォームを求めていきたいですね」

6月6日 オイシックス新潟戦(戸田)/3回2/3(48球)、3安打、2三振、1四球、2失点

 6試合を投げたところで、ピッチャーとしての感覚がどれくらい戻ってきたかと聞くと、こう答えた。

「真っすぐでとった三振は、結果オーライではなく、狙ってとれました。ここで真っすぐを通せば絶対に三振になるとわかっての三振だったので、だいぶ(感覚は)戻ってきていると思います。あとは変化球のコントロールですね。ストライクをポーンと取りたいところでボールになると『次に何を投げようか』となっちゃう(笑)。あと闘争心はもっとほしいですね。まだ打たれる怖さとか不安が少し強いので。それも一軍のマウンドに立てば、(腹の底から)湧いてくるんじゃないと思うんですけど」

4 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る