小林雅英が分析する浮き沈みの多いロッテ 防御率0.00を誇るプロ4年目のリリーフは「いいパフォーマンスを引き出せる」 (3ページ目)

  • 栗田シメイ●文 text by Kurita Shimei

【リリーフ陣の評価は?】

 リリーフ陣は4年目の鈴木昭汰の台頭で印象が変わりましたね。彼のことはルーキー時代のキャンプでも見ましたが、今季の成長は著しい。あれだけの強い球を安定してストライクゾーンに投げられるように変わってきました。フォームのバランスも含めて、バラつきがなくなってきたのが今季の飛躍につながっていると思います(23試合に登板して防御率0.00)。

 松井裕樹投手(サンディエゴ・パドレス)と自主トレをしていたようですが、左腕同士で同じ景色を感じ取ったのかもしれません。方向性が明確になったという意味でも刺激を受けて、本人にとっていい経験になったのではないでしょうか。使い方が固定されると、もっといいパフォーマンスを引き出せるとも思います。

 クローザーも、益田直也の状態が少しずつ上向いて安定してきたので、僕としては経験値も込みで、しばらくは彼を後ろで使って様子を見るのではないかな、と見ています。ただ長期的に考えると、彼の後継となる投手をどう育てていくのか、ということはチームの課題でしょう。

 5年目の横山陸人などがその候補と言えますが、まだまだ技術的には不足していますし、「このボールでバッターに反応させたい」という意図が見えてこない。彼も強いボールはあるんですが、大事なのは、それをどういう意図を持って投げるか。3つのアウトをどう積み重ねるか、というプランニングに課題を感じますね。とはいえ横山投手も若いので、どう経験させていくのか、チームの育成方針も大切になってきます。

 吉井理人監督は、投手運用に関してはもともと定評がある方です。3連投をさせないし、適度に休ませる。いいパフォーマンスをいかに引き出すか、という点に長けているので、マネジメント面を考えても今季投手陣が大きく崩れる、というシーンは考えにくいです。あとは、打線が投手陣をいかに休ませられるか。投手目線だと、今季は序盤からキツい試合が続いているので、ここが改善していけば自ずと勝ち星はついてくるはずです。

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