小林雅英が分析する浮き沈みの多いロッテ 防御率0.00を誇るプロ4年目のリリーフは「いいパフォーマンスを引き出せる」 (2ページ目)

  • 栗田シメイ●文 text by Kurita Shimei

【「もどかしさ」を感じる選手たち】

 個別の選手でいうと、捕手の佐藤都志也がある程度固定されるようになって、友杉篤輝がショートで存在感を発揮するなど、センターラインは固まりつつある。課題はあるにしても、ふたりとも成長が見えますね。特に佐藤は、守備面でのミスは批判されることもありますが、経験でよくなっていくポジションですし、"打てる捕手"という自分の強みは出せていると思います。

 その反面、外国人の前後を打つ安田尚憲、山口航輝、ケガの影響もある藤原恭大と、期待された選手がもうひとつ殻を破れないシーズンが何年も続いています。素材は間違いなので、もどかしさも感じますね。

 身も蓋もない言い方ですが、コーチ目線で言うなら、いい選手は勝手によくなっていくんです。結局は自分の意識づけと継続が大切で、そろそろ彼らもいいパフォーマンスを出さないといけない。そのために必要な自己分析が足りてないのかもしれません。期待している分だけどうしても厳しい意見になってしまいますが、ドラフト1位で上田希由翔(明治大出身、右投左打/内野手)を獲得したのは、安田や山口との競争を促したかったという意味合いもあるはずです。

 もうひとつ、中堅どころの中村や田村龍弘の奮起に期待したい。岡大海がいい活躍をしているだけに、プレーなのか、背中で見せるのか、チームを引っ張っていくという役割は彼らが担ってほしいですね。

 投手については、今年は安定した先発投手が4、5枚いることは大きいです。佐々木朗希、メルセデス、種市篤暉、小島和哉。あとはフィットしてきた西野勇士と、ここまでは計算が立っています。ここにもう1、2枚加えるために試しながらやっていて、ずっと期待されている高野脩汰、ベテランの美馬学、なかなかチャンスがもらえない唐川侑己、田中晴也もいいピッチングをした。

 個人的に大いに期待している、ドラ1の菊地吏玖もいます。ただ、先発と中継ぎでどちらつかずの起用をされているので、彼の使われ方も気になりますね。いずれにしろ、先発陣はある程度試合をちゃんと作ってくれているのは間違いない。それが今の順位にもつながっています。ただ、(C.C.)メルセデスはもう少し援護してあげてほしいです。今は1勝ですが、5勝くらいしてもいい内容なので。このあたりの噛み合わせは僕らが現役の時とあまり変わらずで、ロッテっぽいとは思います(笑)。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る