パ・リーグで「打てるキャッチャー」が急増中 高木豊から見た好調の要因は? (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Kyodo News

【西武の古賀は打順の再考を】

――ロッテの佐藤都志也選手も今季はバッティングが好調で、打率.301(出塁率.347)と結果が出ています。

高木 バッティングは悪くないですね。守りの面では、佐々木朗希のワンバウンドが止められなかったり、止められないから佐々木のボールが甘いところへいってしまったりと苦労していましたが、ここ最近はブロッキングもよくなってきています。少しずつ風格も出てきたような気がしますね。

 バッティングに関しては田宮が縦振りなら、佐藤は横振り気味。そこが大きな違いです。ボールを捉える能力は高いものを感じますが、安定して打てて打率を残せるのは田宮のほうだと思います。

――横振りだと安定しにくい?

高木 苦手なコースが増えてくるんです。縦振りは体が開かないのでインサイドのボールでもバットをうまく振り抜くことができ、結果として打てるコースが広がります。横振りだと、バットが遠回りしてしまったりスイングに無駄ができやすいので、あらかじめ打つコースを張っておかないと対応が難しい部分があると思います。なかには、コースを張らずに反応で打ててしまうバッターもいますが、佐藤はまだそのレベルには達していません。

――西武の古賀悠斗選手も、打率.287(出塁率.333)と好調を維持しています。

高木 バットコントロールがうまいですね。エンドランにしても、しっかりコンタクトしていきます。いいピッチャーが多いパ・リーグで高い打率を残しているのがその証拠です。

 それと、得点力不足の西武は古賀の打順を上げるべきだと思います。現在の西武でバッティングが期待できる、数少ないバッターのひとりですから。8番を打つことが多く、たまに7番や9番でも起用されていますが、評価が低すぎるように思います。

――たとえば、何番を任せるのがよさそうですか?

高木 5番か6番あたりを任せていいと思います。4番はあまりにも責任が重いですし、捕手以外の野手のなかから育てていかないといけない。古賀には今よりも上の打順を任せることで、守りだけでなくバッティングに対しての責任感も出てくると思いますし、そうなると選手は成長していくものです。パンチ力も秘めていると思いますし(高校通算52本塁打)、小さく育てたらダメだと思います。起用法次第でポテンシャルが開花するかもしれません。

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