「これぞオリックス!」開幕ダッシュならずも解説者、他球団スコアラーが評価する2024年の「ナカジマジック」 (2ページ目)
そのなかで、やはりポイントになるのがリリーフ陣だ。野田氏が言う。
「やはり宇田川優希と山﨑颯一郎ですね。あと阿部翔太と小木田敦也もいます。こうしたリリーフ陣が安定してこそ、リードした試合はきっちり逃げきるというオリックスらしい強い戦いができる。そういう点で、まだちょっと不安な部分は感じますね。ここが安定してきたら、ソフトバンクともいい戦いができると思います」
【想定外だった中軸打者の不振】
また、他球団のスコアラーはここまでのオリックスの戦いをこう見ている。
「中嶋監督としたらホッとしていると思いますよ。対戦がひと回りして、よく借金1でいけたなと。おそらく、あそこまで打てないとは想定していなかったはずです。とくに森友哉、頓宮裕真、杉本裕太郎といった中軸を担う選手が揃って振るわなかった」
開幕当初のオリックス打線について、前出のスコアラーは次のように語る。
「強いボールに対しての反応が悪く、簡単に連打で得点する感じがなかった。逆に、制球力で勝負してくるような技巧派は、まだチャンスがあるかなというイメージでした」
その言葉どおりの戦いとなったのが、4月12日からの日本ハムとの3連戦だ。第1戦は伊藤大海らの前に4安打に抑えられ、0対1と敗戦。翌日は先発の加藤貴之ら日本ハム投手陣から5点を奪い快勝。14日の試合は初回に3点を奪われるも、日本ハム先発の根本悠楓を攻略してすかさず同点とすると、その後も着実に加点して6対3で勝利した。徐々にではあるが、打線がようやく機能してきた印象を持たせた。
そしてもうひとつ、開幕からの15試合を振り返ると、"マジック"というほどでもないが印象に残ったのが吉田輝星の起用だ。まず開幕戦で、1点ビハインドの7回途中から宮城のあとに登板してピシャリと抑えると、徐々に勝ちパターンでの起用にシフトしていった。
吉田がオフにトレードでオリックスに移籍し中嶋監督と会った際、"フォーム改造"を提案されたという。体重移動をスムーズに、かつ安定して持続させるフォームへの修正だ。
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