オリックス・山下舜平大から初勝利 西武打線は「日本で1、2を争うピッチャー」にどう挑んだのか (2ページ目)
「高めの真っすぐを打ちにいくとファウルになっちゃうと思います。目線を下げて、振らされないようにしたい。カーブも無視くらいでいいんじゃないですか。来たら、『しゃあない』と割りきったほうがいい」
昨季の山下の投球割合を見ると、平均球速154.3キロのストレートが58.6%で、同124.2キロのカーブが30.9%。同135.1キロのフォークは10.5%。力強いストレート中心に押してくるというスタイルだ。
加えて、山下には独自の武器もある。嶋コーチが話す。
「どちらかと言うとショートアームですしね。途中でクイックも入れてきたり、いろんなことをやってくる。あれだけのすごい球を投げながら、すごく工夫してくるのでそんなに簡単に打てるとは思っていないですけど......何とかね。うちも今年はパワーヒッターもいますし、そういうのを期待したいです」
結果から言えば、山下の今季初登板は6回途中までに99球を投げて被安打2とほぼ打たれなかったものの、与四死球8と制球を乱し、2失点で負け投手になった。
自滅、あるいはひとり相撲----。
この日の山下を表せば、そうした言葉になるだろう。だが、その裏では西武が狙いを持った攻撃を仕掛けていた。
【四球を選んだ外崎修汰の狙い】
立ち上がりの山下は、決して悪くなかった。先頭打者の1番・金子侑司は高めのストレートと低めのカーブで追い込むと、ファウルをはさみ、真ん中低めのボールゾーンに落ちる140キロのフォークで空振り三振に打ちとった。
つづく2番フランチー・コルデロには2ボール2ストライクから5球目、外角低めに156キロのストレートを投じて見逃し三振。251試合のメジャー経験を誇る左打者は反応できず、「山下はすばらしい球を持っている」と評した。
試合の分岐点になったのが、次の3番・外崎だった。今季は「左足をそっと着く」というイメージでうまくタイミングをとり、打率.400(4月3日終了時点)と好スタートを切っている。
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