オリックスT−岡田が挑む覚悟の2024年シーズン 「今年ダメならもうあとがない」 (2ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro

 年齢が顔に出ないタイプと言うと、「やっと見た目に年齢が追いついてきたんじゃないですか」と笑った。履正社高で甲子園を目指し、"ナニワのゴジラ"と呼ばれていた頃から見てきただけに、チーム内で「Tさん」と呼ばれることも、ベテラン扱いされていることもまだしっくりこないが、このことについて本人はどう思っているのか。

「ベテランですか? ベテラン、ベテラン......ベテランって何ですかね(笑)」

 あらためて聞かれるとこちらも考えてしまうが、「30歳半ばを越え、みんなをまとめてチームを引っ張っていく。そんな意識が強くなったり......」と答えると、あとを岡田が引き取った。

「もともと、僕はキャプテンシーとかそういうのはないタイプなんで(笑)。だからチームに若い子が増えて、それぞれがやりやすいように。気になったことがあれば、軽く言ったりはしますけど、基本は聞いてきてくれた時に助けになればいいなくらいで......。一番はみんなノビノビやってくれたらいい。そういうスタンスです」

 なんともやさしいベテランだ。

【オリックスは一体感がある】

 若手の頃は、首脳陣や球団関係者からよく注文をつけられていた。

「もっと元気を出さんか!」
「覇気がない」

 しかし、今となっては癒しキャラとも表現したくなるキャラクターや、常に一生懸命、実直に野球に取り組み続けてきた岡田の姿勢が、今のオリックスのチームカラーの土台となっているようにも感じる。

── オリックスはいいチーム?

「一体感がありますよね。そこはすごく感じます。打線でも、つなぐ気持ちをみんなが強く持っていますし、戦ううえで一体感は大事です」

── 36歳のベテランも、若手からいじられたり?

「みんな僕のことをよく応援してくれるんで(笑)」

── 選手たちはやさしい?

「やさしいですね」

── 「Tさん」と呼ばれているし。

「野手では一番上ですから」

── そんなチームメイトと目指す4連覇。今年はどんな1年にしたいですか?

「いま一番思っているのは、シーズンを楽しみたいな、と。その気持ちがすごくあります」

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る