荒木雅博が「意外だった」落合博満監督の野球「いま考えると、相手が勝手に自滅してくれたこともあった」
荒木雅博インタビュー(中編)
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荒木雅博氏が球界の名プレーヤーとして一躍注目を集めるようになったのは、2004年に落合博満氏が監督に就任してからだろう。荒木氏にとって落合監督とはどのような指揮官だったのか。また、落合監督を含む6人の監督についても語ってもらった。
現役23年間で通算2045安打を記録した荒木雅博氏 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る
【打ちとった打球は確実にアウトにする】
── 名門・熊本工出身のプロ野球選手は40人近くいますが、荒木さんは川上哲治氏の2351安打、前田智徳氏の2119安打に次ぐ2045安打をマークしました。これだけのヒットを積み重ねた秘訣は何ですか。
荒木 まずケガをしない強い体をつくるために、練習するということです。技術的には、私は外からバットが入る感じの打者だったので、ボールの呼び込み方、待ち方、どこの球を打ちにいったら自分の打ち方で打てるのかを真剣に考えました。シンプルに言えば、「ここだったら絶対に打てる」というのをつくる。私の場合は外角高めのストレートがそうだったのですが、そういうコースをつくるのが効果的だと思います。
── 近年は「フライボール革命」が注目を集めていますが、稀代のヒットメーカー・内川聖一さんは「本塁打の打ち損ないがヒットになるという考え方は、自分には合っていない」とのコメントを残しました。荒木さんも本塁打の多いタイプではありませんでしたが、こうしたバッティング理論について思うことはありましたか。
荒木 その時々の流行りがありますし、みんなうまくなりたいと思ってやっているので否定はしません。いろいろ試してみて、自分に合う打法を探せばいいのではないでしょうか。
── 荒木さんは6年連続ゴールデングラブ賞を獲得するなど、華麗なプレーでファンを魅了しました。守備でのポリシーやモットーは?
荒木 投手が打ちとったと思った打球は、確実にアウトにすることです。ファインプレーじゃなくていいんです。5年間コーチとして指導しましたが、選手にはそこをしっかり伝えました。ポジショニング、ゴロ捕球、フットワーク、スローイングは、経験を積んでいくなかで自然と覚えていくものです。まずは、「打ちとった打球を確実にアウトにする」のが一番です。
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