「これはいよいよ逃げられん」WBC準決勝で牧原大成が明かす幻となった代打でバント「失敗したらパスポートを捨てなきゃ。日本には帰れん」 (4ページ目)
しかし、牧原が腹を括ったところで代打は取り消される。栗山監督が村上に任せることにしたのだ。そして、あの逆転サヨナラ打が飛び出す──。
「代表入りを迷っていた時、ネガティブなことばっかりが浮かんだって言いましたよね。でもね、僕、決勝の最後の場面をセンターから見ているんです。大谷、トラウトの対決を、センターという誰も見られない真後ろから見られました。スライダー、めっちゃくちゃ曲がってましたよ。守っていて飛んでくる気がしませんでしたから......もちろんネガティブな僕ですから、飛んでくるなよ、と思っていました(笑)。ただ同時に、センターにトラウトの打球が飛んできて、僕が捕って試合が終わったら、その場面の映像はきっと何回も流されるんで、それも悪くないかな、なんてことも思っていました。少しはポジティブになれたのかもしれませんね(笑)」
著者プロフィール
石田雄太 (いしだゆうた)
1964年生まれ、愛知県出身。青山学院大卒業後、NHKに入局し、「サンデースポーツ」などのディレクターを努める。1992年にNHKを退職し独立。『Number』『web Sportiva』を中心とした執筆活動とともに、スポーツ番組の構成・演出も行なっている。『桑田真澄 ピッチャーズバイブル』(集英社)『イチローイズム』(集英社)『大谷翔平 野球翔年Ⅰ日本編 2013-2018』(文藝春秋)など著者多数。
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