ヒロド歩美、阪神の日本一に感情をうまく表現できず...岡田彰布監督に出版してほしい書籍のテーマとは
ヒロド歩美さんインタビュー
「阪神タイガース日本一」前編(全2回)
『報道ステーション』(テレビ朝日)でスポーツキャスターを務めるヒロド歩美さんは、大の阪神タイガースファン。インタビュー前編では、38年ぶりの日本一を決めた瞬間の興奮を振り返ってもらった。阪神タイガース愛を語ったアナウンサーのヒロド歩美さんこの記事に関連する写真を見る* * *
【これって日本一だよね?】
ーー阪神ファンのヒロドさんは、現地で取材をなさっていたそうですが、かなり興奮したんじゃないですか?
ヒロド歩美(以下同) じつは興奮というよりも、なにぶん、日本一は私が阪神ファンになって初めてのことだったので、慣れていないというか、感情としてうまく表現できなくて、あの瞬間は「これって日本一だよね?」と、確認するような、信じられないような気持ちでした。
ーー感情の置きどころがわからなかったファンの方は多かったかもしれませんね。
京セラドームのスタンドで観戦していたんですけど、ただあの瞬間、周りを見渡すと阪神ファンのおじちゃんたちは涙に暮れているし、歓喜というよりも、感謝の気持ちを表わしている人たちが多かった気がします。「日本一、うれしい!」というよりも「やっとこの日が来た!」みたいな感じで、そういった方々を見て、ウルッとしたり。私は以前所属していたABC(朝日放送)に入社した時(2014年)からのファンで、まだ10年も経っていないんですけど、38年間も待ちわびたファンの方々の気持ちを察すると、やっぱり「ありがとう」って気持ちのほうが大きかったんだろうなって。私も本当に「ありがとう」って気持ちになりましたからね。
ーー阪神ファンの熱量の高さは全国的に知られていますが、感無量だった人は多かったでしょうね。
実際、私が日本一を実感したのが優勝パレードの時だったんです。えっ、大阪に、こんなに人がいたのって驚くぐらいファンの方々が集まって、選手たちを祝福して感謝の声援を送っている。岡田彰布監督をはじめ、選手の方々はもちろん、ファンの人たちも本当に幸せな表情を浮かべていました。思ったのは、阪神のファンの方って、"チームとファン"という関係よりも"自分もチームの一員"という意識が強くて、とにかく他人事ではないと考えている方が多いんだと思います。それだけ愛されているチームなんだなって。
ーーもちろん他球団のファンにも熱い人はいますが、阪神ファンは、チームそのものがライフスタイルになっている。
そうですね。「阪神の応援は趣味とちゃう! 人生や!」と、おっしゃる方ばかりですからね。また今回の日本シリーズは、オリックス・バファローズとの対戦だったので、関西方面は試合前から異様な盛り上がりでした。とにかく私としては、その空気感を番組(『報道STATION』)で伝えなければいけないと思いました。でも、やっぱり自分を否定することはできず、阪神に偏ってしまって番組には少し迷惑をかけてしまいました...。
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著者プロフィール
石塚 隆 (いしづか・たかし)
1972年、神奈川県出身。フリーランスライター。プロ野球などのスポーツを中心に、社会モノやサブカルチャーなど多ジャンルにわたり執筆。web Sportiva/週刊プレイボーイ/週刊ベースボール/集英社オンライン/文春野球/AERA dot./REAL SPORTS/etc...。現在Number Webにて横浜DeNAベイスターズコラム『ハマ街ダイアリー』連載中。趣味はサーフィン&トレイルランニング。鎌倉市在住