周東佑京はWBC準決勝で大谷翔平の代走はないとわかって頭を整理「還ったらサヨナラだな」 (3ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 編集協力●市川光治(光スタジオ)

 村上の打球がセンター方向へ飛んだ瞬間、周東は「越えると思ったので勝ったと思いました」と言った。そしてあまりにスタートがよかったせいで前を走る大谷に追いつかんばかりの周東は、大谷の同点のホームインのわずか1秒後、サヨナラのホームに滑り込んだ。その時に考えていたことを訊くと、周東はこう言った。

「三塁を回ってから直線的に入れるようにということと、転ばないようにということ(笑)、それだけです。いま思えば、大会前にダルビッシュ(有)さんが言ってたんですよ。『べつに殺されるわけじゃないし、死んじゃうわけでもない。楽しむことが一番だぞ』って......聞いた瞬間もたしかになと思いましたけど、実際、WBCを終わってみたら、本当にそうでしたね」

著者プロフィール

  • 石田雄太

    石田雄太 (いしだゆうた)

    1964年生まれ、愛知県出身。青山学院大卒業後、NHKに入局し、「サンデースポーツ」などのディレクターを努める。1992年にNHKを退職し独立。『Number』『web Sportiva』を中心とした執筆活動とともに、スポーツ番組の構成・演出も行なっている。『桑田真澄 ピッチャーズバイブル』(集英社)『イチローイズム』(集英社)『大谷翔平 野球翔年Ⅰ日本編 2013-2018』(文藝春秋)など著者多数。

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