斎藤佑樹が明かすマー君への複雑な想い 田中将大とのプロ初対決後の「4年間の差」発言の真相 (4ページ目)
だから当時は「意識していない」とコメントしていましたが、意識していないはずはなかった。やっぱりマー君は意識せざるを得ない存在でしたし、彼はそれほど次元の違うピッチャーでした。
マー君には野球選手として学ぶべきポイントがものすごくたくさんありました。もし僕が余計な意識をしていなかったら、純粋に参考にしてもよかったんじゃないかと思うところがあるんです。真似をしてもよかったんじゃないかと思うんです。フォームや身体の使い方、打ち取り方にしても僕とはまったく違う。だからこそ参考になることがあったかもしれない。
* * * * *
6勝6敗、防御率2.69──プロ1年目に残った数字だ。先発した19試合のうち、5回を投げきることができなかったのは2試合、5点を失った試合はゼロ。つまりルーキーの斎藤は先発として試合をつくる仕事を果たしていた。その一方、プロでも特別な存在として輝くことを期待した向きからは物足りないと映ったはずだ。そして2年目、栗山英樹という新たな指揮官のもと、斎藤は刺激的な開幕を迎えることとなる。
(次回へ続く)
著者プロフィール
石田雄太 (いしだゆうた)
1964年生まれ、愛知県出身。青山学院大卒業後、NHKに入局し、「サンデースポーツ」などのディレクターを努める。1992年にNHKを退職し独立。『Number』『web Sportiva』を中心とした執筆活動とともに、スポーツ番組の構成・演出も行なっている。『桑田真澄 ピッチャーズバイブル』(集英社)『イチローイズム』(集英社)『大谷翔平 野球翔年Ⅰ日本編 2013-2018』(文藝春秋)など著者多数。
フォトギャラリーを見る
4 / 4