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「メンバーを見てレベルが高すぎる!」と驚愕 拓大紅陵高→プリンスホテル入りした元オリックスの小川博文は「なんてところに入ったんだ」 (4ページ目)

  • 高橋安幸●文 text by Takahashi Yasuyuki
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

 東京・立川市にあった野球部専用の玉川上水球場(現在は跡地に拓大一高の校舎とグラウンドがある)。広大な霊園が隣接していて、異様な雰囲気があるのはたしかだ。そんな環境で社会人生活が始まる時、石山が小川に言った。

「まず4年間、社会人でやれ。4年後にソウルオリンピックがあるから、おまえはオリンピックに出て、プロに行け」

 進学を断念したのだから、高校野球の監督になるのは難しい。ならば、ここでプロを目指すしかないと考えていた。それでも当時の小川は、石山の言葉を素直に受けとれなかった。

「失礼な話、そんなうまく行くわけないやろと思ってました。たしかに、より高いレベルで、と思ってプリンスを選びましたけど、メンバーを見て、レベル高すぎるでしょ......と。オリンピック出場はもちろん、4年ではプロに行けんやろって」

後編につづく>>

(=敬称略)

著者プロフィール

  • 高橋安幸

    高橋安幸 (たかはし・やすゆき)

    1965年、新潟県生まれ。 ベースボールライター。 日本大学芸術学部卒業。 出版社勤務を経てフリーランスとなり、雑誌「野球小僧」(現「野球太郎」)の創刊に参加。 主に昭和から平成にかけてのプロ野球をテーマとして精力的に取材・執筆する。 著書に『増補改訂版 伝説のプロ野球選手に会いに行く 球界黎明期編』(廣済堂文庫)、『根本陸夫伝 プロ野球のすべてを知っていた男』(集英社文庫)など

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