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今季の宮城大弥は、なぜ好不調の波が激しいのか? 星野伸之が指摘する「緩急投球術」の生命線と弱点 (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • Photo by Sankei Visual

――投球フォームについてはどう見ていますか?

星野 クロスする分、「縦の動き」というよりも「横の動き」というイメージはありますね。でも、ポンと上に浮くカーブがあるので、バッターの目線を一度上に上げることができるのは強みだと思います。それと、宮城の場合は僕と違って真っ直ぐが速いので(今季の最速は151km)、120km台中盤のスライダーでも十分に緩急がついていると思います。

――DeNA戦で8失点を喫して以降のピッチングはいかがですか?

星野 いい時と悪い時がはっきりしていますね。交流戦では中日戦で完封勝利を挙げた後にDeNA戦で8点取られ、その後の2試合は無失点。次の楽天戦で4失点し、ソフトバンク戦で8回1失点と好投したかと思えば、直近のソフトバンク戦では5失点。

 今後も打ち込まれる試合があるかもしれませんが、気持ちを切り替えて投げていってほしいです。今シーズンは切り替えという意味ではうまくできていると思いますし、なんだかんだ6勝4敗で2つの貯金をしてくれているので。

 繰り返しになりますが、やはり宮城の場合はクロスファイヤーが生命線。そこがしっかりすることで、カーブやスライダー、チェンジアップといった変化球が生きてくると思います。

【プロフィール】

星野伸之(ほしの・のぶゆき)

1983年、旭川工業高校からドラフト5位で阪急ブレーブスに入団。1987年にリーグ1位の6完封を記録して11勝を挙げる活躍。以降1997年まで11年連続で2桁勝利を挙げ、1995年、96年のリーグ制覇にエースとして大きく貢献。2000年にFA権を行使して阪神タイガースに移籍。通算勝利数は176勝、2000三振を奪っている。2002年に現役を引退し、2006年から09年まで阪神の二軍投手コーチを務め、2010年から17年までオリックスで投手コーチを務めた。2018年からは野球解説者などで活躍している。

著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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