ヤクルト投手陣がキャッチボールでキャッチャーミットを使うミステリー 田口麗斗が「その効果」を明かす (2ページ目)
「野手のボールはポンと捕れるんですけど、ピッチャーの球は力を入れないと捕れないというか、ちょっと押される感じがあって、人差し指にグワっとくるんです。これまで印象に残っているのは吉村(貢司郎)さんで、捕った時にボールが重たく感じるというか......今日はキャッチャーミットがあったほうが、痛みは軽減されるのかなと感じました」
期待のパワー型投手、竹山はそう説明すると、「まだちょっと赤くなってます」と左の手のひらを見せて笑った。
前出の大下も「基本的に野手って捕りやすい送球なので」と言う。
「球の速い遅いはあると思うんですけど、僕らも守備の時は野手が捕りやすいように投げます」
では、ピッチャーと野手のボールの違いはどこにあるのか。キャッチャーの松本直樹は「同じ力感で投げても、ピッチャーのほうが回転効率なのかわからないですけど、スピン量が多いと感じます」と話した。
「とくに先発投手は1試合で100球ほど投げることになるので、8割くらいの力でいいボールを投げることを追求すると思うんです。以前、秋のキャンプでブルペンに入って100球くらい投げたことがありますが、体がパンパンになりました。だけどピッチャーはふつうに投げるじゃないですか。思いきり投げるのが野手のボールで、軽く投げてもいいボールがいくのがピッチャーの球ですかね。でも、宮本慎也さんがコーチをされていた時に送球を受けたことがあるのですが、ピッチャーのボールに近いというか、軽く投げてシュッとくる。送球のいい野手は、どちらかといえばピッチャーに近い感じがしますね」
【ボールのキレはどう生まれるのか】
そして松本は「痛いとは違いますが、石川さんのボールは恐怖です」と教えてくれた。
「体がギリギリまで開かなくて、急にボールが出てくるのでむちゃくちゃ速く感じるんです。新外国人のディロン・ピーターズのボールも『あっ』と思いました。球速は特別すごいというわけではないのですが、手元でドーンともうひと伸びするというか、『これで142キロ?』というのはあります。回転軸なのか、回転数なのか、これが俗にいうキレなのかなと......」
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