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ヤクルト投手陣がキャッチボールでキャッチャーミットを使うミステリー 田口麗斗が「その効果」を明かす (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Koike Yoshihiro

 ところで、ピッチャーのボールはいかにしてつくられるのか。小川泰弘に聞いてみた。まずイメージするピッチャーのボールについて、こう話した。

「キャッチボール段階の話ですが、ボールが指先から離れて相手のグラブに着くまでの軌道が、山なりであっても回転数は野手の人よりも多いだろうし、そういう意味では腕の振りよりも捕る時に"誤差"があるということですね。それがキレだったり、差し込まれるということだと思うので、腕の振り以上にボールがくるということが一番ですかね」

 そして「そのボールを投げるためには、いろいろな要素があるのですが......」と言って、話を続けた。

「投球フォームで言えば、球の出どころを見づらくする。そのことで腕がパッと出てくるので、やっぱりそこでも"誤差"が生まれるし、下半身と上半身の連動性が上手だとそれに近づきますね。ほかにも筋力的なことでもいろいろありますし、体の使い方というところでもそれらの"つながり"が大事になってきます」

 小川に、ボールが痛いピッチャーについても聞いてみた。

「それこそ、今日は(高橋)奎二とキャッチボールをしましたけど、痛いですね。清水(昇)とかも手元できますし、石川さんは軽く投げているように見えて、手元でグッときて速さを感じます」

【田口麗斗がキャッチャーミットを使う理由】

 メーカーのカタログを見ると、投手用のグラブの重さはだいたい550〜650グラムで、捕手用は700〜800グラムとなっている。

 前出の大下は「キャッチャーミットは重いので、ちょっとでも気を抜いたら体が開くんです」と話した。

「なので、(グラブをはめている)左腕をここで止めてという意識はしやすいです。それが目的で使っていたわけじゃないんですけど、やってみて気づいたことです。今は自分の調子がよくないので、ピッチャー用のグラブでやってますけど」(大下)

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