「ハンソンの日ハム電撃移籍」を仕掛けたBC茨城が再び元メジャーリーガー獲得 敏腕GMがNPBに売り込みたい次の逸材は?

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by AFLO

【3Aからリリースされた原因】

 今季わずか3試合でロチェスターからリリースされたのは、何らかの要因があったに違いない。色川GMは「数字を見れば、フォアボールの多さだと思います」と推測する。3Aに在籍した今季は、3試合で3回2/3を投げて与四球5。前年は同じく3Aで45回を投げて与四球32を記録した。

「ただし、もともとコントロールが悪い投手ではありません。環境や体の状況、タイミングなどにより、四球を多く出してしまうことは誰にでも起こり得る。過去の成績を見ても、今年春の成績はあまり心配していません。調整不足が大きかったのではと思います」

 キロメがポテンシャルを秘めていることは、メジャー経験を有す点からも間違いない。あとは日本にやって来て、異国の環境にどれだけ早く適応できるか。新たなドミニカ人投手は、NPBが定める移籍期限の7月31日までに可能性を示す必要がある。

 以上が野球界の"マーケット視点"で見た、ハンソン&キロメ移籍の舞台裏だ。球団と選手が契約合意すれば、サインするまでの経緯がこうして表に出るが、もちろん裏でまとまらないケースのほうが多い。

 2020年秋から茨城球団の編成責任者を務める色川GMは、当然ビジネス面からマーケットを意識している一方、野球界に新たな貢献をしたい気持ちも強い。現役時代はアメリカや中南米の独立リーグでプレーし、監督としてイラン代表や香港代表などを率いたのち、アジアンブリーズというトラベリングチームを立ち上げ、アストロプラネッツで編成責任者となった今、多くの選手たちに可能性を切り開きたいと考えているからだ。

 その意味で、ハンソンの移籍には大きな価値があった。色川GMが続ける。

「移籍交渉の1.5日のなかで、日本ハムの渉外担当と深い話をさせてもらいました。彼らにとってはひとつの移籍案件かもしれないけれど、我々独立リーグにはそれだけの意味ではありません。(BCリーグの)発足から17年をかけて大先輩方が築いてきた礎(いしずえ)と、アップデートしていかないと存続自体が危ない部分という両面性が、独立リーグにはあると思います。

 NPB球団がドラフトの最後のほうに補強をするという点で、『独立リーグはあればいいね』という存在意義が出てきたかもしれません。でも、『なくてはならない存在』まで引き上げないといけない。僕が携わり始めてまだ3年ですが、そういう使命感を持っています」

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