阪神打線を関本賢太郎が分析 佐藤輝明の不調の原因、恐怖の「8番・木浪」、中野拓夢のセカンドコンバートなどを語った (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

【8番・木浪が果たしている役割】

――そんなふたりとクリーンナップを組んでいる3番・レフトのシェルドン・ノイジー選手はどうですか?関本さんは開幕前に、外国人助っ人がキーマンになるとも言われていました。

関本 ノイジー選手がつないでくれているからこそ、大山選手と佐藤選手に打点がついているとも言えます。近本選手(24打点)と中野選手(19打点)も打点が多いですが、下位で作ったチャンスを1、2番で返し、ノイジー選手が再びチャンスを広げる場面もありますね。ノイジー選手も20打点を稼いでいますが、この形で打線がうまく回っているので、3番に固定し続けると思います。

――打順でいえば、木浪聖也選手が3割をキープするなど好調を維持していますが、このままがベスト?

関本 木浪選手は8番がいいですね。昨シーズンの広島を例に挙げると、上本崇司選手が8番で3割打っている時は、ものすごく嫌だったんです。これが、他の打順にいってくれて8番に打率.240ぐらいのバッターを置いてくれると、かなりラクなんですよ。9番のピッチャーと合わせてツーアウトを取れる可能性が高くなりますから。

 クリーンナップからチャンスが回ってきた時も、8番が3割打者だとバッテリーは神経を使うんです。当然、申告敬遠も増えますし、9番まで"いってしまう"。そうなると、次のイニングは1番の近本選手から。打順の巡りがいいのは、木浪選手が8番にいることが作用しています。今年の阪神は、攻撃が9番ピッチャーから始まる場面をあまり見ないですよね。

――木浪選手のバッティングはどこがよくなった?

関本 脱力して構えていますし、ボールをバットの面で捉えることができていますね。差し込まれてもファウルにできて、捉えたらヒットゾーンに飛んでいく。引っかけてセカンドゴロやファーストゴロというのが少ないです。今の打率がいいからといって、一発や長打を狙うのではなく、今のままでいけばシーズン3割を達成できると思います。

 彼が3割を打っているのは偶然ではありません。それだけの技術があるバッターです。厳しいボールもファウルで逃げて打ち直せるのが、今シーズンのよさでしょう。

 かつて1度レギュラーになったものの、昨シーズンは二軍暮らし。監督が変わってまたチャンスが巡ってきたと思ったら、オープン戦の最後に状態が上がらなくて開幕スタメンを譲った。「今年こそ」と思った矢先でしたし、今は「このチャンスを絶対に逃さないぞ」という気持ちでいるしょうね。

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