阪神の村上頌樹は「上原浩治さんクラス」 関本賢太郎は盤石の先発ローテについて「みんなが表」

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

関本賢太郎が語る好調・阪神 後編

投手陣について

(中編:佐藤輝明の不調の原因、恐怖の「8番・木浪」、中野拓夢のセカンドコンバートなどを語った>>)

 首位を走る阪神の大きな原動力となっているのが、盤石のピッチャー陣。チーム防御率2.71(5月24日時点。以下同)はリーグトップだ。阪神OBの関本氏に、今シーズンに目覚ましい活躍を見せている注目のピッチャーについて聞いた。

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【村上は「上原浩治さんクラス」】

――まずは先発ピッチャー陣のなかで、村上頌樹投手(4勝1敗)をどう見ていますか? 投球の約49%を占める真っ直ぐを中心に、カットボール(約20%)とツーシーム(約16%)、割合は少ないですがフォーク(約10%)とスローカーブ(約5%)も織り交ぜています。

関本賢太郎(以下:関本)まず言えるのが、どの球種もコントロールが抜群。今年の沖縄・宜野座での春季キャンプで2軍の練習試合をした時、村上投手が先発だったんです。僕はその試合の解説をしていたんですが、「このピッチングは一軍のバッターでも打てませんよ」と、その時に話したんですよ。

 それくらいの制球力でしたし、実際にシーズンに入ってもバッターは打てない。低めにボールを集められて、高さもコースも間違えません。バッターからするとチャンスボールがないんです。上原浩治さん(元巨人、レッドソックスなど)クラスのコントロールですよ。

――ここまで37イニングを投げて四球がわずか3個。被打率も.144と安定感がすごいですね。

関本 普通はヒットと四球を合わせてイニングと同じだけランナーを出すものです。村上投手の場合は43イニングに対して被安打21、四球4個と大幅に下回ってますよね。

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著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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