ヤクルト奥川恭伸は「この1年間はつらいことばかりでした」 戸田球場に生きる悲哀と苦悩、そして希望

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Sankei Visual

ヤクルト二軍の本拠地・戸田球場ヤクルト二軍の本拠地・戸田球場この記事に関連する写真を見る 奥村と同じくプロ10年目を迎える西浦直亨は、二軍キャンプからスタートした。ここ数年はケガもあって苦しいシーズンが続き、3月8日の春季教育リーグの試合で死球を受けて1カ月の離脱もあった。

「あの死球はやっと実戦が始まった頃で『あー、またこんな感じなのか』というのはありました。ただ、苦しい感覚でやってしまうと本当にしんどいので、自分としては一軍だろうが二軍だろうが、とにかく試合に出た時は結果を残せるように取り組んでいくだけです」

 4月18日にファームで実戦復帰すると、第1打席で右中間に二塁打。その後も好調を続け、5月16日現在、打率.326、1本塁打の成績を残している。

「一軍への思いは......これは自分が決められることではないので、まずは二軍でしっかり結果を出していくしかありません。体も元気ですし、それを続けていくだけです」

【戸田でしかできないこと】

 プロ野球は競争の世界で、今日戸田にいた選手が翌日神宮にいることもあれば、昨日神宮であいさつした選手に翌日戸田で会うことも珍しいことではない。

 中継ぎ左腕の久保拓眞は開幕一軍を果たすも、4月7日に登録抹消となった。

「上では2試合投げたのですが、左打者にヒットを2本打たれて、デッドボールもありました。左打者を抑えるのが僕の仕事なので、去年と同じように左打者に自信を持ってシュートを投げられるように練習しています。2試合ともランナーを残した状況でマウンドを降りて、木澤(尚文)と大西(広樹)には迷惑をかけたので、次に一軍に上がった時はしっかりうしろにつなぐピッチングをしたいと思っています」

 話を聞いたのは4月28日のことで、その2日後に久保は一軍昇格を果たしたが、5月6日に再び二軍降格となった。

「昨日の今日なので悔しいですけど、左打者を抑えられなかったのが現実で、去年と同じではダメだと実感しました。シュートに加えて、もうひとつ武器が必要だなと。それが新しい球種なのか、それともコントロールなのかをここで見つけるためにまた練習します」

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