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ストライクゾーン、投手、言葉の壁...西武・マキノンが語る「野球とベースボールの違い」 (3ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Sankei Visual

「(アメリカの投手とは)タイミングが少し違う。日本人投手が92マイル(約148キロ)を投げたとして、(同じ球速のアメリカ人投手より)対応が少し難しく感じる。ボールにスピンを効かせるのがうまいからだろうね。90〜92マイルのボールでも(アメリカ人の)93〜94マイルのように感じる。どのカウントでも自分が投げたいボールを投げてくるし、多くの投手は4、5球種を持っているからね。

 だから、慣れていかなければならない。でも、以前にもそういう投手と対戦したことはあるから、突拍子もないことをするわけではない。一度対戦すれば、どんな投球をするのかイメージをつかめる。だからまず、できるだけ多くのピッチャーを見ていく必要がある」

 異国にやって来て、ストライクゾーンが違い、初めて対戦する投手に慣れていく作業は、"元メジャーリーガー"といえども簡単にいくわけではない。日本人投手のレベルも年々上がっている。

【愚痴を言う相手がいない】

 さらに、立ちはだかるのが言葉の壁だ。

「難しく感じるのは、誰かに愚痴を言いたくても相手がいないことだ。家に帰れば妻がいる。でも、試合中に打てなくてイライラしたときにチームメイトにグチを言いたくても、こぼすことができない。何か聞きたいことがあっても、少し難しい。これまで当たり前と思ってきたことが、今は少し違う。でも、ライオンズの選手はいいヤツらばかりだ。英語も少し話すしね。そういうなかでのコミュニケーションの仕方を学んでいかなければならない」

 異国で外国人として暮らした経験がある者なら、マキノンの胸中を想像できるだろう。筆者は英国のサッカークラブ、セルティックに移籍した中村俊輔を追いかける通信員として4年間当地で暮らした。渡英当初は英語をほぼ話せなかったので、マンションを借りるのも苦労した。

 同時に、外国人としての日々はこのうえなく面白かった。見るものすべてが新鮮だったのと、現地のスコットランド人は親切かつユーモアにあふれていたからだ。彼らの強烈に訛(なま)った英語を理解するのは難しかったが、楽しさがはるかに上回った。

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