東尾修はデッドボールにも「なんで謝る必要があるんだ」石毛宏典が振り返るガキ大将な気質と、激攻め投球が生まれた理由■2023人気記事 (3ページ目)
――1986年6月13日の近鉄戦で、リチャード・デービス選手にデッドボールを与えて発生した乱闘事件が思い出されます。東尾さんは顔面打撲や右足首捻挫などの負傷を抱えながら続投し、完投勝利を挙げました。
石毛 デッドボールに関しては、「なんで謝る必要があるんだ」と言っていましたね。「当てられた側は一塁に行けるルールもある」と。当てられたバッターが向かってくると、ピッチャーはみんな逃げるじゃないですか。でも、トンビさんは「ここは俺の職場だ」とマウンドから動かなかった。外国人選手がすごい迫力で向かってきても、決して逃げることはありませんでした。
――そこも、向かっていく強い気持ちの表れですね。
石毛 "ガキ大将気質"なんじゃないですかね。先ほども話しましたけど、何をやってもうまく、喧嘩も強い。野球なら「俺がピッチャーで投げるわ」みたいな感じ。でも、そういった部分があってこそのトンビさんなんですよね。
(後編:東尾修との特別な信頼関係 ピンチでマウンドに行くと「お前がしっかり打たんからじゃ」>>)
【プロフィール】
石毛宏典(いしげ・ひろみち)
1956年 9月22日生まれ、千葉県出身。駒澤大学、プリンスホテルを経て1980年ドラフト1位で西武に入団。黄金時代のチームリーダーとして活躍する。1994年にFA権を行使してダイエーに移籍。1996年限りで引退し、ダイエーの2軍監督、オリックスの監督を歴任する。2004年には独立リーグの四国アイランドリーグを創設。同リーグコミッショナーを経て、2008年より四国・九州アイランド リーグの「愛媛マンダリンパイレーツ」のシニア・チームアドバイザーを務めた。そのほか、指導者やプロ野球解説者など幅広く活躍している。
◆石毛宏典さん公式YouTubeチャンネル
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著者プロフィール
浜田哲男 (はまだ・てつお)
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。
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