ヤクルト23人の投手が語った「増やしたいもの、減らしたいもの」 体脂肪を減らしたいと語った投手は? (5ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Taguchi Yukihito

 今年の浦添キャンプで、見るからにやる気がみなぎっていたのが大西だった。ブルペンでは「ナックルカーブいきます」「ワンシームいきます」など、何種類もの新球に挑戦。

「増やしたいのは力です。力負けしない力、球の力、シーズンを通して戦える体の力。全部です。スピードも去年のこの時期に比べたら増していますが、試合でその真っすぐがどう見られるかが大事です。減らしたいものは、弱気な自分です。むちゃくちゃ緊張しいなので空回りしないように。ランニングとか、しんどい時こそ元気を出してやっています」

 左腕の久保は、昨年チームがコロナ禍により大量離脱したなか一軍昇格。取り組んでいたシュートが威力を発揮し、日本シリーズのマウンドにも立った。

「登板数は背番号(61)を目指しています。去年は左打者に投げることが多かったので、もっと右打者との対戦も増やしたいところです。そのために右打者へのチェンジアップとカットボールに取り組んでいます。今年はホールド数(昨年は7)を意識して、最低でも20ホールドに届くくらい、勝っている場面で投げさせてもらえるよう信頼を増やしていきたい」

 木澤は150キロを超えるシュートを武器に、昨年中継ぎでプロ初勝利を挙げると、チームトップタイの9勝をマーク。3年目を迎えるシーズンの設計図を理路整然と言葉にした。

「昨年を振り返った時、増やしたいものは初球のストライク率と奪三振率です。全体的に与四球率は減ったのですが、初球のストライク率はまだまだ改善できる数字だと思っています。勝ちパターンで投げるという目標のなかで減らしたいものは、対左打者への被打率です。昨年はそこが高かったので。奪三振率が高いことが大事というのは、日本シリーズでのオリックスのリリーフ陣を見て感じました。そのように増やすものを増やして、減らすものを減らせば、自ずと勝ちパターンに入れるのかなと。あとは実戦のなかで反省と試行錯誤を繰り返しながら、まだまだここからという感じです」

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