ヤクルト23人の投手が語った「増やしたいもの、減らしたいもの」 体脂肪を減らしたいと語った投手は? (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Taguchi Yukihito

 高梨裕稔は、昨シーズン前半は白星を重ねるも、最終的には7勝にとどまった。

「昨年の後半は四球が多かったので、しっかり減らしたい。そうなれば球数は少なくなり、投球回は増え、ゲームをつくる回数も増えると思います。ひと言でいえば、安定感を増やしたいです。そういったパフォーマンスを多く出せるように、今は無駄な力みを減らすことを意識して投げています」

【ローテ入りを狙う若手投手】

 金久保優斗への首脳陣からの期待は高く、キャンプのブルペンではコーチ陣に囲まれてピッチングをする光景が続いた。昨年はシンカーに取り組むも「そのことで真っすぐがダメになってしまいました」と不本意なシーズンを過ごした。

「今年はシンカーを減らすのではないですが、新しい取り組み方をして改善できた感じがあります。去年はほかにも力を抜いて投げることにチャレンジしたのですが、逆効果なところがありました。自分の一番の武器は真っすぐなので、今はとにかく力を入れて投げる。そこを増やしたいというか、戻していきたいです」

 小澤怜史は、昨シーズン途中に育成から支配下登録された。二軍ではリリーバーだったが、一軍では先発起用。サイドからの強い真っすぐを武器に2勝を挙げた、ローテーション候補のひとりだ。

「今は先発か中継ぎか、両方を見据えて調整しています。勝ちを増やして負けを減らしたいので、キャンプではカットとツーシームにチャレンジして、スライダーも曲がりを小さくしてゾーンの中で操れるようにやっています」

 市川悠太は昨年、一軍の舞台で初登板を果たした。5年目の今季は浦添キャンプに参加し、持ち球のフォークのほかに、「小さい変化のボールがなかったので、シュートやカットボールの練習に取り組みました」と話した。

「自分は三振をバンバンとれるタイプではないので、芯をずらしたり、しっかり空振りをとれるようにしたい。それができれば防御率や被安打率も減らせると思います。プロ初勝利を挙げて、それが2勝、3勝と勝ち星を増やし、チームの3連覇に少しでも貢献できればと思っています」

 プロ2年目の山下輝は、左ヒジの不安でキャンプ途中に離脱となったが、「少しずつ形をつくっていって、試合数、イニング、球数を増やしていきたい。目標はもちろんローテですので、うまく自分に向き合いながらやっていきたい」と話した。

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