田中幸雄が語る「2年目新庄劇場」と「清宮幸太郎の最低ノルマ」 日本ハムの予想順位はまさかの... (3ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Koike Yoshihiro

2年目を迎える日本ハム・新庄剛志監督(photo by Ichikawa Mitsuharu/Hikaru Studio)2年目を迎える日本ハム・新庄剛志監督(photo by Ichikawa Mitsuharu/Hikaru Studio)この記事に関連する写真を見る

── 捕手に関しては、伏見寅威選手(前オリックス)、アリエル・マルティネス選手(前中日)を補強しました。

田中 抑え投手とともに、ここが日本ハムの弱点でした。私がコーチを務めていた頃(2010〜17年)は清水優心がレギュラーを獲ると思っていましたが、実際は正捕手になれなかった。宇佐見真吾や古川裕大もいますが、伏見をFAで獲ったのは司令塔が決まっていないということです。日本ハムは鶴岡慎也(12年ベストナイン)、大野奨太(16年ゴールデングラブ賞)以来、正捕手が定まっていません。今年もそこは大きな課題です。

【2023年のパ・リーグ順位予想】

── 今シーズンのパ・リーグの順位を予想してください。

田中 1位・ソフトバンク、2位・オリックス、3位・ロッテ、4位・西武、5位・楽天、6位・日本ハムです。ソフトバンクは千賀滉大がメジャーに移籍しましたが、近藤健介を獲得したり、しっかり補強を行なった。同じくオリックスも吉田正尚がメジャー入りしましたが、森友哉が加入しました。もともとオリックスは先発、リリーフとも投手陣が質量とも豊富です。ここが"2強"ですね。ロッテは得意の機動力でどこまで点をとれるか。西武は、昨年チーム防御率1位の投手陣が今年もいい成績を残せるか。楽天に関しては、先発投手陣が高齢化しているので5位にしました。

── 日本ハムを6位に予想した理由は?

田中 かつて日本ハムが日本一になった時は、たとえば2006年はダルビッシュ有や小笠原道大、稲葉篤紀、そして現監督の新庄がいて、2016年の時は大谷翔平など、傑出した選手がいました。ただ今のメンバーを見ていると、彼らほどの選手はいない。伸び悩んでいた清宮や吉田が成長していますが、もうひと頑張りほしいところです。

── 新庄剛志監督の2年目は変わると思いますか。

田中 昨年、新庄監督は「優勝しなくてもいい」と語っていました。それが今年は「優勝しか目指さない」と断言しています。1年かけて、選手を見極めたのでしょう。昨年は新庄監督自ら選手に技術指導していました。それが今年はコーチに任せています。逆に、選手間にピリピリした緊張感が漂っていました。

 ほとんどのポジションでレギュラーが決まっていないのが日本ハムの厳しい現状ではありますが、競争という意味で前向きにとらえてほしいと思います。順位予想で日本ハムを最下位にしておいて矛盾していると思われるかもしれませんが、オリックスとヤクルトは"2年連続最下位"からの"連覇"だったじゃないですか。本当の勝負は来年だと予想して、この順位にさせていただきました。

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