「打倒・侍ジャパンの青写真」 野茂英雄とバッテリー 中日でプレー アテネ五輪での勝利...日本を知り尽くす豪州代表監督が語る (2ページ目)

  • 水道博●文・写真 text & photo by Suido Hiroshi

── ニルソン監督は2000年のシドニー五輪で黒木知宏投手(当時・ロッテ)から本塁打を放ちました。2004年のアテネ五輪では、予選リーグで安藤優也投手(当時・阪神)から本塁打を放ち、9対4で日本に勝利しました。準決勝では3番・捕手で出場し、ジェフ・ウィリアムス(阪神)をリードし、1対0で勝っています。中日でプレーした経験もあって、日本には自信を持っていたと聞きます。

「シドニー五輪で我々は7位と悔しい思いをしました。アテネ五輪では、現在、代表チームの投手コーチを務めるグレアム・ロイドが頑張ってくれました。そして日本との準決勝は、松坂大輔投手が好投したのを覚えています。しかし、我々はシドニー五輪の雪辱を果たすことができました。

 2000年に日本でプレーしたことにより、日本人選手の野球に対するアプローチを理解できていたのです。打者ならどんなボールを狙ってくるか、投手ならどんなボールを投げてくるかです。その経験を、2004年のアテネ五輪で生かせたのだと思います。私は2006年の第1回WBCでもオーストラリア代表で出場しました。私だけに限らず、国際大会を経験したマイケル・コリンズやアンドリュー・ブライアンが代表チームのコーチとなって、若い選手に国際大会の戦い方、メンタルの持ち方などを伝えています」

【目標は1次ラウンド突破】

── 昨年11月に侍ジャパンと強化試合を行ないました。印象に残った投手、打者はいましたか。

「日本は投げるのも打つのもいい選手がいました。誰もがよく知っている世界的に有名な選手です。2WAY(二刀流)の......あっ、それは大谷翔平選手ですね。札幌の時はいなかったですね、ジョークです(笑)。とにかく、札幌での2試合で、日本代表の選手が高い技術力を持っていることはわかりました。ただあの時は、対日本ということよりも、オーストラリア代表の選手の実力を把握することに重点を置いていました。

 投手ではワーウィック・ソーポルド、ティム・アサートン、打者ではダリル・ジョージが2017年のオリックス育成選手の時よりもレベルアップしています。大会前にはアメリカでプレーしている投手のカイル・グロゴスキ、センターを守るアーロン・ホワイトフィールド、内野手のロビー・グレンディニングが合流します。ただ、選手個々の技術力というよりも、その選手たちがチームにどのように貢献してくれるかというところを私は大事にしています」

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