「打倒・侍ジャパンの青写真」 野茂英雄とバッテリー 中日でプレー アテネ五輪での勝利...日本を知り尽くす豪州代表監督が語る (3ページ目)

  • 水道博●文・写真 text & photo by Suido Hiroshi

── オーストラリア代表のストロングポイントは何だと思いますか。府中でのクラブチームとの試合を見ていると、投打ともにパワフルな印象を受けました。

「オーストラリアの強みはパワフルな打撃と思われがちですが、投手力と守備力です。そして投手陣はコントロールがメインです。先日の練習試合では気温8度。あまりの寒さに指先がかじかんで、コントロールできない投手が多くいました。

 打線は個々の選手にパワーはありますが、それに頼るのではなく、各打席でチームにどのような貢献をしてくれるのかを期待しています。クラブチームとの練習試合では、ランダウン(挟殺)プレーの間に得点するシーンがありましたが、WBC本番でもあらゆる場面で集中していきたいです」

── 日本とは3月12日に対戦します。どのような戦いを考えていますか。

「本番直前のコーチミーティングで最終的な作戦、対策をいろいろ講じるつもりです。日本の先発については、おそらく山本由伸投手(オリックス)ですかね......ストレートも速く、変化球も多彩でいい投手であることはわかっています。もちろん、苦戦するでしょう。でも私としては、自分たちがどういうパフォーマンスをできるかにフォーカスしたいです。

 2004年のアテネ五輪で日本を倒したことは、すばらしい思い出です。ただ、私の人生の目標はオーストラリア野球の新しい歴史をつくることです。WBCでの目標は、まず1次ラウンドを勝ち抜くことです。次のラウンドに進んだら、そこであらためて目標を設定しようと思います」

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