ヤクルト高橋奎二が見据えるWBCのその先「代表に選ばれた以上、今シーズンは結果を残さないと本当にダサい」 (5ページ目)
── 準決勝進出となれば、アメリカやドミニカ共和国などとの対戦が予想されます。先日、高橋投手は「いつかメジャーで投げられたら」とおっしゃっていました。
高橋 どの国が勝ち上がってくるかわからないですし、短期決戦は本当に何が起こるかわかりません。まずは自分の役割をしっかりと果たし、目の前の1勝にこだわりたいです。メジャーについてはっきり意識したのは去年のオフからで、もちろん大谷(翔平)選手の活躍する姿を見て、そう思うようになりました。
── WBCの経験をヤクルトの若い選手たちに......という考えはありますか?
高橋 WBCは勉強になることがたくさんあると思うので、後輩たちから質問されたら伝えたいというものもありますけど......秘密にしたいところです(笑)。
── 今シーズンの目標を教えてください。
高橋 先程も話しましたが、まだ1年間フルで投げたことがないので、まずそこを実現したいです。そこからは2ケタ勝利がいちばんで、規定投球回クリア、奪三振のタイトルを目指してやっていきたいです。
── プロ初勝利を挙げた3年目の秋に、「今年は知らない自分に出会えました」と言葉にしました。
高橋 そんなこと言ってましたね(笑)。あの年は登板間隔をあけながらですが、ファームでしっかり投げられた。なおかつ最後に一軍の舞台で1勝することができて、そういうところで新しい自分が見えた感じだったと思います。
── WBCを経験することで、自分の未来についての期待は?
高橋 WBCでは自分の真っすぐがどこまで通用するか試したいですし、もしかしたら挫折を味わうかもしれません。そうなったとしても、その悔しさをシーズンでどう生かせるか。そこは自分次第だと思います。WBCという舞台に立てることで、また新しい自分に出会えるかもしれない。そこは大会が終わってからの楽しみにしたいと思います。
高橋奎二(たかはし・けいじ)/1997年5月14日生まれ、京都府出身。龍谷大平安高時代に3度甲子園に出場し、2年春のセンバツでは3勝を挙げる活躍で優勝の立役者となった。2015年のドラフトでヤクルトから3位指名を受け入団。18年にプロ初勝利を挙げ、21年のオリックスとの日本シリーズ第2戦でプロ初完封。22年は自己最多の8勝を挙げた。
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著者プロフィール
島村誠也 (しまむら・せいや)
1967年生まれ。21歳の時に『週刊プレイボーイ』編集部のフリーライター見習いに。1991年に映画『フィールド・オブ・ドリームス』の舞台となった野球場を取材。原作者W・P・キンセラ氏(故人)の言葉「野球場のホームプレートに立ってファウルラインを永遠に延長していくと、世界のほとんどが入ってしまう。そんな神話的レベルの虚構の世界を見せてくれるのが野球なんだ」は宝物となった。以降、2000年代前半まで、メジャーのスプリングトレーニング、公式戦、オールスター、ワールドシリーズを現地取材。現在は『web Sportiva』でヤクルトを中心に取材を続けている。
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