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吉見一起に聞くWBC侍ジャパンの投手起用法。「先発ローテーションは?」「クローザーは?」「大谷翔平の使い方は?」 (3ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Getty Images

【クローザーは一択で決まり】

── 守護神には誰を指名しますか。

吉見 栗林良吏投手(広島)の一択でいいと思います。東京五輪でも全5試合に登板して2勝3セーブ、自責点1とほぼ完璧な内容でした。栗林投手はペナントレースでも2年連続30セーブ以上。2021年の被本塁打はわずか1で、防御率0.86。22年は被本塁打0と驚異的なストッパーぶりです。社会人のトヨタ自動車の後輩にあたりますが、そのことは関係なしに彼の安定感に期待したいと思います。あえて言うなら、場面、状況によって大谷選手をリリーフとして起用してもいいのかなと思います。

── そのクローザーにつなぐセットアッパーも重要になってきます。

吉見 中継ぎの一番手は、湯浅京己投手(阪神)です。183センチから最速156キロのストレートを投げ下ろし、球威も角度もあります。それにドロンとしたカーブがあって、緩急も使えます。昨年43ホールドを挙げ、最優秀中継ぎ投手に輝いた勢いをそのまま持ち込んでほしいですね。

 ほかにも、昨年32セーブを挙げた松井裕樹投手(楽天)、サイドから球威のある球を投げ込む大勢投手(巨人)、長身から落差の大きなフォークが武器の宇田川優希投手(投手)が控え、どんな展開になっても対応できる投手が揃っています。

── 準々決勝(東京ドーム/3月16日)はトーナメント方式です。ここで台湾、オランダ、キューバ、イタリア、パナマのなかから勝ち上がってきた2チームのどちらかと戦います。

吉見 当然、どこが勝ち上がってきても侮れません。とにかく、この準々決勝で勝たないとアメリカで行なわれる準決勝に進めないわけですから、ものすごく重要になります。日本は準々決勝に進出すれば試合は16日になりますので、9日に先発したなら中6日、10日の先発なら中5日になります。登板初戦の投球数が65球以内なら中5日でいけるだろうという考えがあります。

 一方で、投げることに変わりはないし、時期的に少し登板間隔をあけたほうがいいという考え方もあるでしょう。もし準々決勝に山本投手を投げさせるつもりなら、9日に山本投手、10日にダルビッシュ投手にしてもいいと思います。もしくは、主力投手を3イニングずつとか2イニングずつ投げさせてもいい。あくまで戦況を見ながらの起用になりますが、いろんな選択肢を考えておいたほうがいいでしょうね。いずれにしても、投球術に長けているダルビッシュ投手が軸になることは間違いないでしょう。

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