西武・平良海馬は先発で通用するのか? 最優秀中継ぎ→最多勝の偉人・攝津正が語る「成功の心得」 (2ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Koike Yoshihiro

【ピッチングスタイルの変化】

── 攝津さんは2009年に70試合に登板して34ホールド、2010年は71試合で38ホールド。そして先発に転向した2011年から5年連続2ケタ勝利を挙げています。中継ぎから先発に変わっても成功できた秘訣は何だと思いますか。

攝津 私の場合、中継ぎだった2009年、2010年の2年間の奪三振率は10.61個で、与四球率は3.11個でした。一方、先発に転向した2011年、2012年の奪三振率は7.35個、与四球率は2.06個。つまり、中継ぎ時代はある程度四球を出しても三振を奪いにいくピッチングをしていました。逆に先発の時は、三振が少なくなってもコントロールを重視していたということです。

── 中継ぎと先発では、求められる役割が違うと?

攝津 そうですね。中継ぎは「1点でもとられたらいけない」ということが大前提です。ですので、状況によっては無理に勝負にいかなくてもいい場面があります。先発はクオリティ・スタート(6回を投げて3失点以内)という指標があるように、とにかく6〜7回を2、3点にまとめるピッチングを心がけます。当然、ピッチングスタイルは変わってくると思います。

── 平良投手は変化に対応できそうですか。

攝津 これまでは、とにかく速い球で押して三振を狙うスタイルでしたが、先発となると長いイニングを投げなければいけないので、細かなコントロールや変化球で対応する"引き出し"が必要になってきます。

 平良投手は最速160キロのストレートが注目されていますが、スライダー、チェンジアップをはじめ、タイミングを外せるカーブ、打ち損じを狙えるカットボールと変化球も豊富です。先発になっても、今の球種で十分に通用すると思います。それにトラッキングマシンを自費で購入し、球の回転数を調べるなど研究熱心な選手ですので、自身の特徴を生かしながらピッチングできると思います。

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