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遠藤良平が語る東大野球部あるある。「野球そのものに興味がなくなったら、さわやかに辞めていく」 (3ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Ichikawa Mitsuharu (Hikaru Studio)

── 高校時代は都立高校にもメッタ打ちを喰らったというのに、なぜ東京六大学のレベルで渡り合うことができたんですか。

遠藤 僕も不思議でした。きっと球が遅すぎたんでしょう。今、プロ野球界でもアナリストの分析でよく言われているのが、平均値から遠いのはプラスだということ。東大以外のピッチャーのスタンダードが140キロだったとすれば、僕の投げる130キロは平均から外れていたので打ちにくかったのかもしれません。じつは僕、学年を経るごとに球はどんどん速くなったのに防御率はどんどん悪くなっていったんです。一生懸命に腕を振って130キロだったのに、成長を求めて頑張って球が速くなったら、4年の秋には東京六大学のスタンダードに近づいて打ちやすくなっちゃったんでしょうね。相手校のバッターにも『遠藤は球が速くなって打ちやすくなった』と言われましたからね。

── 遠藤さんの神宮でのマックスは何キロでしたか?

遠藤 えっ、僕のマックス? いや、よくそういう意地悪な質問ができますね(笑)。そこはぼかしておいて下さいよ。

【東大野球部の胃袋を支えた店】

── 東大野球部は過去、リーグ戦の優勝経験はなく、上位に食い込んだのは1946年の2位が唯一です。勝てないのが当たり前、最下位が定位置になっているイメージがありますが、リーグ戦へはどんなモチベーションで向かっているんですか。

遠藤 目の前の試合に勝つことが、唯一で最大のモチベーションです。僕は、各対戦校から勝ち点をとれると本気で思っていました。ただその一方で、勝ち点をシーズンで4つも5つも積み重ねるのは難しいとも思っていました。だから勝ち点をとるところまでは考えていても、現実的には優勝というところにつながらない。

「優勝」と言ってしまうと、シーズン序盤で可能性が消えてしまうので、モチベーションの維持が難しくなりますしね。でも、結局は優勝って1勝、1つの勝ち点の積み重ねがもたらすものなんですよね。だから1つの勝ち点をとれるなら4つとるのは無理だとは言いきれないはずなのに、優勝となるとまったく現実味がなくなってしまうんですよね。

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