斎藤佑樹×車いすバスケ香西宏昭が思い描くスポーツ界の未来「もう野球だけやりなさいは流行らない」 (2ページ目)
斎藤 アメリカでは大学スポーツの人気はすごいんでしょう?
香西 日本で高校野球にファンが多いのと同じように、アメリカでは大学スポーツは人気がありますね。観客も満員になるし、応援も熱狂的です。一般の学生から地元のおじさんまで、ふだんから大学のTシャツを着て街を歩いていますから。
斎藤 いいなぁ、アメリカの大学スポーツを経験しているってすごくうらやましい。日本も大学野球をはじめ大学スポーツがもっと盛り上がってもいいのにと思うんです。そのためのヒントやノウハウがアメリカにはたくさんあると思います。
【野球場をつくる夢】
斎藤 どんなアスリートだってみんな歳をとっていくから、どこかで身体が動かないと思う時がくるわけですよね。
香西 僕はまさに今、やっぱりちょっとずつ感じています。疲れが抜けにくくなってきたとか。
斎藤 僕は引退してから、長く現役をやれているアスリートの方は、そこでどう対応しているのかっていうところに興味が出てきたんです。
香西 僕の場合は、トレーナーさんに新しいトレーニングを入れてもらうとか、自分の身体を知るためのデータを採るとか、自分の身体に対する新しい知識を得るとか、積極的になりました。障害者アスリートって健常者アスリートに比べて、科学的に解明されていないところがまだまだ多いんだそうです。
斎藤 たとえばどんなところですか?
香西 栄養士としてご指導いただいている大学の先生の調査によると、車いすスポーツは座ってプレーするので、太腿やふくらはぎの大きな筋肉をあまり使っていない。だから激しい運動をしていても消費カロリーが少ないらしいんです。体重を維持するためには、どんなに運動をしても食事は腹7分目から8分目に止めておかないといけないというようなことがデータとして出てきました。
斎藤 興味深い話ですね。そういったデータを活用しながらやると、車いすバスケは何歳くらいまで現役でプレーできるものなんですか?
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