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球審が見た完全試合、ロッテ佐々木朗希の105球。「やはりモノが違う」「球場は普通の状態ではなかった」 (2ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hirohi
  • photo by Sankei Visual

── 完全試合もさることながら、「1試合19奪三振(日本タイ記録)」「13連続奪三振(日本新記録)」という記録も更新しました。「なにがしかの奪三振記録もあるだろうな」という感じはありましたか?

橘髙 「走者が出ていないな」とは思っていましたが、三振のことはまったく意識していませんでした。それこそ5回終了時に(控え審判の)敷田直人審判員に「すごい。ここまで13連続奪三振ですよ」と言われ、「そういえば、打球がしばらく前に飛んでいないな」と、初めて連続奪三振に気づいたくらいです。
 
── 中盤に奪三振ペースが落ちましたが、終盤にまた4連続奪三振。意識的にギア(球速、気持ち)を上げた感じでしたか?

橘髙 私はとくに感じませんでした。

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── 審判の方は、「ボール、ストライクをジャッジするのが仕事なので、投手や打者の様子はあまり覚えていない」とも聞いたことがありますが、そんな感じだったのですか?

橘髙 中盤以降、球数が増えて「少しへばってきたかな」と感じる投手もいますが、この日の佐々木投手は全部で105球。1イニング11〜12球平均。特段、そんな疲れを感じることもなく試合は進んでいきました。投球テンポもよく、試合時間はちょうど2時間30分でした。

── カギを握る打者は、誰もが3番・吉田正尚選手だったと思っていました。2打席目の4回二死、普段はあまり投げないカーブを吉田選手に2球投じました。三振の少ない吉田選手が1試合3三振(吉田は前日まで14試合で1個。21年計26個、22年計41個)。この対決をどう感じられましたか?

橘髙 いいカーブでしたよ。「おっ、こんなボールも放るんだ」と思いました。それまで投げてないボールでしたから(全105球中、カーブは3球だけ)。

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