ヤクルトの超優良助っ人・オスナはいかにして日本野球に順応していったのか (5ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Koike Yoshihiro

 大松コーチは、来シーズンのオスナについてこう期待する。

「今年の後半くらいの配球の読みや我慢強さがあれば、打率3割、30本くらいはやってくれるでしょう。オスナやサンタナが好調でいてくれると、前を打つムネ(村上)の負担も減るので、打線としてこれ以上のことはないですよね。いずれにしても、間違いなくバッティングはつかんでいますし、自分のなかで『こうしたい』という構想を描いて、来年また来日してくれると思っています」

 今シーズン、リーグ優勝後の記者会見でオスナの感慨深そうな表情が、今も強く印象に残っている。

「スワローズに在籍して、どのシーズンも優勝できたのは自分にとっても誇りで、素直にうれしいです。ビールかけはとても楽しく、もうちょっとみんなで飲めたら......もったいないなと思いながら、一生忘れられない貴重な経験でした」

 チームにとってかけがいのないプレーヤーとして、オスナは来季も全力プレーを見せてくれるはずだ。

【著者プロフィール】島村誠也(しまむら・せいや)

1967年生まれ。21歳の時に『週刊プレイボーイ』編集部のフリーライター見習いに。1991年に映画『フィールド・オブ・ドリームス』の舞台となった野球場を取材。原作者W・P・キンセラ氏(故人)の言葉「野球場のホームプレートに立ってファウルラインを永遠に延長していくと、世界のほとんどが入ってしまう。そんな神話的レベルの虚構の世界を見せてくれるのが野球なんだ」は宝物となった。以降、2000年代前半まで、メジャーのスプリングトレーニング、公式戦、オールスター、ワールドシリーズを現地取材。現在は『web Sportiva』でヤクルトを中心に取材を続けている。

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