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ヤクルトの超優良助っ人・オスナはいかにして日本野球に順応していったのか (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Koike Yoshihiro

「当時、僕は二軍コーチだったのですが、来日後、オスナが調整で戸田に来たことがあったんです。第一印象は、バットが内から出ていて、インコースの球も右中間に長打が打てる。力もあり、うまさも兼ね備えているので打率も残すだろうなと。そう感じたことを覚えています」

 その見立てどおり、オスナは4月から7月まで打率は3割を超え、本塁打も9本放った。しかし、8月からの3カ月で打率1割台と急激に数字を落とした。

「打てるところ、打てないところのデータはすぐ出ます。去年については、技術以外は想像でしかないですが、メンタルや体力......たとえば自分の体がどう変化して、バッティングのコンディションがどうなっていくのかを感じたと思うんです。最初はフレッシュな状態で来日したが、毎日試合に出ることになり、移動やナイター翌日のデーゲームなどもあった。彼はアメリカで、年間500から600打席を消化していなかったと思うので、そこは大きかったんじゃないでしょうか」(大松コーチ)

【来季3割、30本塁打の期待】

 オスナは今年から新たに3年契約を結んだが、シーズンが開幕しても調子が上がらず、5月22日の時点では打率.201まで落ち込んだ。大松コーチが振り返る。

「春のキャンプからしっかり見ることになったのですが、初めて戸田で見た時の印象とは違っていました。引っ張ることへの執着が強くて、大きいのを打ちたいんだろうなと。やっぱり日本の球場で1年間プレーしたら、ましてホームが神宮というのもありますし、そのことでフォームが崩れるというか、要するに低めの変化球にバットが止まらない。それが前半戦はそのまま結果として出ましたよね」

 オスナと大松コーチは前半戦の早い段階で、構え方、下半身のパワーポジション、意識するポイントなどについて話し合いを重ねた。シーズンが進むにつれ調子を上げ、CS(クライマックス・シリーズ)ファイナルではMVPを獲得。日本シリーズでも敢闘賞に選出された。

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