現役ドラフトの問題点を高木豊が指摘。選手たちの心情、「必ずひとりは獲らなきゃいけない」ルールに疑問 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

――会議自体も非公開で行なわれます。

高木 非公開でやるんだったらトレードでいいのかな、とも思います。イベント性もまったくないものを、あえて「現役ドラフトやります」なんてニュース化することはない。「12球団合同でトレードを実施します」「各球団こういう選手を候補として考えています」って言ったほうがしっくりきますし、現役ドラフトいう名称ではなく「12球団合同トレード」でいいと思います。

――確かにわかりやすいですね。現状のルールで問題点を挙げるとすれば?

高木 各球団が少なくとも選手をひとりは獲らなきゃいけないようですが、戦力として厳しい選手をまた抱えるようなことになると、どこの球団も嫌ですよね。そういう可能性もあるので、「必ずひとりは獲らなきゃいけない」という制度はどうなのかなと思います。

 あと、選手の意志が反映される部分があってもいいかなと。例えば、移籍したい選手に手を挙げさせるのもいいかもしれません。1億円くらい年俸をもらってる選手でも、「試合に出るチャンスがない」「このままだったら年俸が下がっちゃう」とか、いろんな思いを抱えている選手もいるはず。そこで他の球団でチャレンジしたいと思いを表明する機会になったらいいですよね。

――「年俸5000万円以上の選手」は除く(1名に限り対象とできる)という縛りとは逆の考え方ですね。

高木 そうですね。居たくない球団には居たくないでしょうし、そういうモチベーションでは働けないでしょう。例えば、巨人が今年のドラフトで浅野翔吾(高松商)を獲ったじゃないですか。これは絶対にありえない話だと思いますが、浅野をセンターで使うとしますよね。そうなるとセンターを守っている丸佳浩を外すことになり、将来的に丸はピンチになる。キャリアに関わってくるので、「だったら僕はチームから出ます」と思う可能性もあるわけじゃないですか。そういう選手を救済したほうがいいと思います。

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