大谷翔平は侍ジャパンで何番を打たせるべきか? 名打撃コーチに聞く「最強打線」のつくり方 (3ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kikuchi Koichi
  • photo by Taguchi Yukihito

 その点、栗山監督は日本ハムというお世辞にも選手層が豊かでなかったチームを指揮し、日本一にまで導いた実績がある。言い換えれば、固定したくてもできなかったチームをなんとかやりくりして、勝利を求めてきたわけだ。

 しかも本拠地の札幌ドームはホームランが出にくい球場として知られており、だからこそどうすれば打線がつながり、得点する可能性が高いのかをずっと考えてきたはずだ。そんな経験がWBCの舞台で生きるような気がする。

 気になるのは、鈴木誠也(カブス)や柳田悠岐(ソフトバンク)といった経験ある打者が最終メンバーに入るのかどうかという点だ。当然のことながら、彼らが参加する、しないで打線は大きく変わってくる。その場合、大谷を何番に入れれば得点効率が上がるのかということは、必ずその根拠として栗山監督なりの理屈があるはずだ。

 はたして、WBC本番で栗山監督がどんなオーダーを組んでくるのか楽しみでならない。

伊勢孝夫(いせ・たかお)/1944年生まれ。現役時代は勝負強い打撃で「伊勢大明神」と呼ばれ、近鉄、ヤクルトで活躍。現役引退後はヤクルトで野村克也監督の下、打撃コーチを務め、ID野球を実践し3度の優勝に貢献。その後、近鉄や巨人でもリーグを制覇し優勝請負人として名高い。2016年からは野球評論家、大学野球部のアドバイザーとして活躍している。

【著者プロフィール】木村公一(きむら・こういち)

獨協大学卒業後、フリーのスポーツライターに。以後、新聞、雑誌に野球企画を中心に寄稿する一方、漫画原作などもてがける。韓国、台湾などのプロ野球もフォローし、WBCなどの国際大会ではスポーツ専門チャンネルでコメンテーターも務める。

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