ティモンディ前田裕太は相方・高岸宏行のプロ挑戦をどう見ていたのか。川﨑宗則との共演には「思わず笑っちゃいました」 (4ページ目)

  • 白鳥純一●文 text by Shiratori Junichi
  • 田中 亘●撮影 photo by Tanaka Wataru

今後のティモンディが目指すもの

――済美高校の校訓でもある「やればできる」という言葉とは少し逸れてしまったという感じでしょうか。

前田:高校時代はすさまじい量の練習をがむしゃらにやっていて、少し狭い視野で「やればできる」という言葉を捉えていた気がします。当時は、試合に勝つことはもちろん、「5点差以上つけて勝つ」「残りのイニングでヒットを5本以上打つ」といったノルマもあって、余裕がなかったからかもしれません。

 今回の高岸の挑戦もふまえて、今になって"人生"という視点から見ると言葉の意味深さを感じます。それを僕たちは示していかないといけないと思っています。

――前田さんが3年生の時、済美高校は惜しくも県大会の決勝で敗れ、甲子園出場を逃しました。

前田:試合に負けた瞬間は「なんでこんなに練習したのに、甲子園に行けなかったんだ」と思いました。しばらくすると、練習がない寂しさを感じるようになり、何に熱量を注げばいいのかわからない日々を延々と過ごすことになって。他の部員と「遊びに行くか」と張り切って出かけたのに、商店街の端まで行って、ただ地面にタッチして帰ってくるということもありました(笑)。

 野球漬けの日々を過ごしてきたので、「高校生らしい遊び」をまったく知らなかったんです。高岸などは野球部を引退したあとも、グラウンドに行って練習していましたね。

――済美高校のチームメイトと、今でも会うことはありますか?

前田:コロナ禍ということもあって、みんなで顔を合わせる機会はそこまでないです。でも、僕らがFM愛媛でやっている『ティモンディの決起集会』というラジオに、同学年のマネージャーがメッセージを送ってくれたり、芸人の活動や今回の高岸の挑戦への応援メッセージをくれたり、本当にうれしくて励みになります。

――ティモンディとしての今後の目標を教えてください。

前田:僕らはM-1グランプリで優勝したサンドウィッチマンさんに憧れて、同じ事務所に入ったということもあるのでM-1には思い入れがあるんです。年末の大会に向けて、定期的に新たなネタを考えたりもしています。

 2021年のM-1を制した錦鯉さんは、忙しい中でも優勝を勝ち取りました。そんな先輩の姿を見ているので、野球関連のお仕事の割合が多いことも言い訳にできないですし、全力で上を目指したい。「ティモンディという船が、少しでも遠くに行けるようにするにはどうすればいいか」をきちんと考えながら活動していきたいと思っています。

(相方・高岸宏行インタビュー:二刀流チャレンジの実感。成瀬善久らコーチの指導に驚き「プレーに変化が出てきた」>>)

【プロフィール】
◆ティモンディ
2015年1月、愛媛県・済美高校の同級生で野球部に所属していた前田裕太(まえだ・ゆうた)と高岸宏行(たかぎし・ひろゆき)がコンビを結成。前田がネタ作りとツッコミ、高岸が「応援」を担当している。お笑いの活動だけでなく、NPBの始球式など野球関連の活動でも活躍。今年7月には高岸がルートインBCリーグの栃木ゴールデンブレーブスに入団して大きな話題を集めた。

■前田裕太 公式Twitter>>@TimonD_Maeda 公式Instagram>>maeda_timon_d

■高岸宏行 公式Twitter>>@Timon_Chan_

■ティモンディのYouTubeチャンネル
「ティモンディチャンネル」はこちら>>

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