高木豊がドラフトで「よさそう」と思った球団は?DeNA1位の松尾汐恩、意外と指名が遅かった山田陽翔などの評価も語った (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Kyodo News

育成も含めてDeNAは「柔軟性もあるドラフトができた」

 DeNAについて「将来性と即戦力のバランスがとれた指名だった」と評価する高木氏は、育成1位で指名した上甲凌大(愛媛マンダリンパイレーツ/捕手)にも注目する。

「育成1位で指名した上甲は、強肩強打の大型捕手。育成からのスタートになりますが、うまくいけば戦力になりそうです。仮に松尾のバッティングがよく、『打者に専念させるために他のポジションで』となった場合にも、上甲がキャッチャーを務めることが期待できます。

 松尾は基本的にキャッチャーで育ててほしいですが、内野も守れるポテンシャルがある。そう考えていくと、柔軟性もあるドラフトができたんじゃないかなと」

 松尾は甲子園での5本塁打を含め、高校通算で38本塁打。さらに強肩で50メートル6秒1の快足など、身体能力に優れたキャッチャーと評価されている。

「『キャッチャーは打てなくてもいい』と言われたりしますが、代打を出されるようじゃ困るし、打ってくれたほうがいい。打席で期待感が持てるキャッチャーは魅力的ですし、打線に厚みが出ますからね」

 一方、巨人と競合し抽選で浅野を外した阪神は、外れ1位で森下翔太(中央大/外野手)を指名したが、阪神にとって大きいと高木氏は言う。

「浅野は外しましたが、阪神はドラフトの戦略がブレませんでした。『外野手が獲れなかったから、ピッチャーをいこうか』とはならず、一貫して外野手だった。浅野を外しても森下がいるということで、おそらく最初に浅野を指名したんだと思うんです。即戦力ということを考えると、浅野より森下。高卒と大卒の4年の差は大きいでしょうし、大卒は木のバットにも慣れていますから。

 あと、牧秀悟に代表されるように、中大の選手はプロへのアジャストが早い傾向があるのも期待が膨らみますね。彼は大学日本代表で4番も打ったりした経験もある。過去に大学日本代表で4番を務めた打者は、吉田正尚や牧をはじめ、プロに入ってから成功している例も多いので、その点でも楽しみです」

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