高木豊がドラフトで「よさそう」と思った球団は?DeNA1位の松尾汐恩、意外と指名が遅かった山田陽翔などの評価も語った (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Kyodo News

西武5位、山田陽翔の評価は?

 岡田彰布新監督のもとで来季以降の巻き返しをはかる阪神は、日本ハムとのトレードで渡邉諒、髙濱祐仁を獲得するなど、補強ポイントだった右打者を着々と揃え始めている。

「トレードでもそうですし、ドラフトで即戦力候補である森下を獲って右打者を揃えてきていますよね。ドラフトでは、2位の門別啓人(東海大札幌/投手)など高校生を多く指名していますが、現有戦力がある程度充実しているからか、焦りはないんでしょう」

 さらに高木氏は、甲子園に出場した経験こそないものの、将来性を感じる高校生のピッチャーとして、広島が1位で指名した斉藤優汰(苫小牧中央高)にも注目する。

「育てるのに何年もかかる"未完の大器"という印象ですが、体も大きいですし(189cm・91kg)、素材に惚れ込んだんでしょう。今は高身長で上から角度のある真っ直ぐを投げ下ろし、ポンっとフォークを落とすピッチャーが主流になってきていますが、そういうピッチャーに育っていきそうな雰囲気はあります。

 それに対して3位以下は、3位の益田武尚(東京ガス/投手)、5位の河野佳(大阪ガス/投手)、6位の長谷部銀次(トヨタ自動車/投手)と社会人のピッチャーを多く指名しています。そのなかで長谷部は左腕ですし、バランスのいいドラフトができたんじゃないかと思います」

 一方、甲子園で元西武の松坂大輔らに並ぶ通算11勝を挙げた山田陽翔(近江高/投手)は、上位での指名も予想されていたが、西武に5位で指名された。

「彼は投手というよりも"選手"ですね。投手として見れば、(広島1位)の斉藤などと比べるとスケール感という点で物足りなさを感じますし、バッターとして見れば、オリックスに2位で指名された内藤鵬(日本航空石川高/内野手)と比べると、体格面でやっぱり内藤になる。トータルで見れば、ピッチャーもバッターも"そこそこ"という部分で5位になったのかなと思います。

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