高木豊が2023年WBCのスタメンを予想。大谷翔平を「二刀流では使えない」という理由も語った (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Kyodo News

── 次に投手ですが、柱となる投手は?

高木 やはり山本由伸(オリックス)、千賀滉大(ソフトバンク)、そして佐々木朗希(ロッテ)です。この3人が先発の柱になると思います。

── 佐々木投手の真っ直ぐとフォークが、メジャーの打者相手にどのぐらい通用するのか楽しみですね。

高木 過去には、ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)や松坂大輔(元西武)の真っすぐが国際大会で通用しなかったんですが、佐々木の真っ直ぐは160km超え。なかなか初見で打つのは難しいと思いますし、向こうの打者は落ちる球に脆さがあります。160km超えの真っ直ぐと150km前後のフォークのコンビネーションはそうそう打てませんよ。

── 2番にDH・大谷というお話がありましたが、DHで起用してからクローザーで登板させる考えはないですか? もしくはメジャー同様の"大谷ルール"が認められるのであれば、先発投手として登板したあとにDHで試合に残り、打席に立つことも可能になります。

高木 使えるんだったら使いたいですよ。でも、開催されるのが夏場ならまだしも、
シーズン前の3月なので、やはり故障のリスクなども含めて二刀流では使えないですね。

── クローザー候補ですが、東京五輪のときは栗林良吏(広島)投手が全5試合に登板し、2勝3セーブと金メダル獲得に大きく貢献しました。

高木 今年の栗林はそんなによくありませんが、落ちるボールを持っているので、外国人打者を相手にごまかしはきくと思います。大勢(巨人)も変則投法でボールが動くので、すごくいいと思います。

 ただ、現状でクローザーを選ぶとすれば、平野佳寿(オリックス)です。今年は調子がよく、メジャーの経験もある。前回のWBCでも中継ぎとしていい働きをしていましたからね。

── 侍ジャパンはどう戦っていくべきですか?

高木 やはりスモール・ベースボールですよ。第1回と第2回の大会では優勝という結果を出していますし。日本人にも大谷のような選手が出てきましたが、チームとしてパワーで対抗していこうとするとやられますよね。日本の強みは何かといえば、やはり細かい作業なんで。

 足は使いたいです。なので、近本光司(阪神)や髙部瑛斗(ロッテ)を選んで、塩見と1、2番を組ませるとかもいいですね。外国人投手はけっこう隙がありますし、走れると思うんです。二盗も三盗もできますよ。だから、走れるチームを作っても面白いなと思うんですけど、それは国民が納得いかないでしょうね......それが代表チームの難しいところです。

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