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解説者3人が占う新人王レース。「セは大勢×湯浅京己の一騎打ち」「パは水上由伸に挑むソフトバンク勢」 (3ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Koike Yoshihiro

ここまでリーグトップの56試合に登板している西武・水上由伸ここまでリーグトップの56試合に登板している西武・水上由伸この記事に関連する写真を見る

リーグ最多登板の水上由伸の貢献度

 パ・リーグは本命なき大混戦となっている。当初は前半戦で6勝を挙げ、うち2完封の大関友久(ソフトバンク)が有力と見られていたが、精巣腫瘍摘出手術を受けて戦線離脱。その間、水上由伸(西武)はリーグトップの56試合に登板し29ホールドを記録。また、離脱者が続出するなかチームの危機を救ったのが柳町達と野村勇(ともにソフトバンク)の野手ふたり。さらに、「令和の怪物」佐々木朗希(ロッテ)とバッテリーを組み、完全試合を陰で演出した高卒1年目の松川虎生(ロッテ)、開幕投手に抜擢され、その後はリリーフとして活躍した北山亘基など、候補者は多数いる。

広澤克実氏

 本命は水上由伸です。西武は「山賊打線」の異名をとったように、2018、19年のリーグ優勝時、チーム打率はリーグトップながら、チーム防御率はリーグワーストでした。明らかな"打高投低"のチームでしたが、それが今季、チーム防御率はリーグ1位を記録しています。

 その立役者が水上です。リーグ2位の29ホールドをマークして、平良海馬や増田達至らととともに試合中盤以降、相手打線の反撃を封じてチームへの貢献度が高いです。

 対抗はソフトバンクの野村勇。今年は「投高打低」のシーズンで、本塁打1位が山川穂高(西武)の39本、2位が浅村栄斗(楽天)の26本。そんななか、新人ながら10本塁打をマークしているインパクトは大きいです。

 パ・リーグ新人王争いは混戦です。いずれにせよ残り試合でどれだけ印象度が増すかにかかっていると思います。

川崎憲次郎氏

 パ・リーグはソフトバンク勢を推します。大関友久は、精巣腫瘍摘出手術を受けて戦線離脱中ですが、今季18試合95イニングを投げ6勝中、2度の完封勝利が光ります。オールスターにも出場しました。

 そしてチームメイトの野村勇は、1939年の鶴岡一人さん以来83年ぶりの球団新人10本塁打。「また見たい」と思わせる思い切りのいいスイングです。パ・リーグの新人王は99年の松坂大輔以来、じつに22人中20人が投手ですが、野村勇にそのジンクス打破に挑戦してもらいたいですね。

 いずれにせよ、パ・リーグは松川虎生、北山亘基、水上由伸もいますしダンゴ状態。最後まで目の離せない戦いになりそうです。

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