川崎憲次郎が占うヤクルト×DeNA一騎打ちの行方。「ベイスターズの快進撃は続くか?」「村上宗隆対策は?」 (2ページ目)
── ヤクルトは村上宗隆選手を筆頭に「長打力」がある打線、DeNAは1998年の"マシンガン打線"を彷彿とさせる「つなぐ」打線と対照的です。
「ヤクルトは1番・塩見泰隆、3番・山田哲人、4番・村上宗隆、そこに勝負強いドミンゴ・サンタナ、ホセ・オスナが続きます。この打線はなんといっても、三冠王を視野に入れる村上です。私も彼への攻め方についてよく聞かれます。打者の8割は内角高めを苦手にします。また打者への基本的な攻めは外角低めです。この対角線をうまく使って攻めるのですが、現時点で村上の死球は5つ。スラッガーとしては少ない。ぶつけるというのではなく、体に近い内角へのボールを投じるというのが、村上を封じるうえで避けて通れません。DeNAの投手陣がそのコースへ投げ込めるか。そこがポイントになるでしょうね。
村上の驚異的な活躍でそこまで目立っていませんが、過去にトリプルスリー(3割、30本塁打、30盗塁)を3度達成している山田が打率.238とリーグ最下位に沈んでいるのが心配です。今はいろんな打順を打っていますが復調が待たれます。山田がそのような状態にかかわらず、チーム自体の得点力は凄まじいものがあります」
── DeNA打線はいかがでしょうか。
「DeNAは首位打者経験のある宮?敏郎と佐野恵太が、入団から2年連続"3割、20本塁打"を狙う4番・牧秀悟を挟みます。さらに、ネフタリ・ソト、タイラー・オースティンという勝負強い打者が並ぶ。1番に桑原将志が固定され、下位からでも打線が循環するようになりました。上位、下位関係なく得点できるのが大きな強みです」
終盤のポイントは中日戦
── 投手陣についてはどのような印象を持たれていますか。
「ヤクルト先発陣は小川泰弘(5勝7敗)を筆頭に、高橋奎二(8勝2敗)、サイスニード(6勝5敗)原樹理(7勝4敗)、高梨裕稔(7勝6敗)、石川雅規(5勝3敗)。昨年チーム勝ち頭である奥川恭伸が不在で、ホールド日本記録を樹立した中継ぎエースの清水昇が本調子ではありません。それでも木澤尚文、田口麗斗が好調で、今野龍太、梅野雄吾もそれなりに数字を残しており、スコット・マクガフは2年連続30セーブをクリア。高津臣吾監督のブルペンのやりくりのうまさがうかがえます」
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