村上宗隆は三冠王を達成できるのか? 広澤克実が分析「最大の壁は首位打者だが、ヒットにこだわりすぎるは危険」 (3ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Koike Yoshihiro

首位打者獲得に必要なこと

 昨年の村上は、500打数139安打で打率.278でした。今年も同じく500打数で打率.333をマークするには167安打が必要になります。おそらく本塁打は50本近く打つでしょうが、ホームランを打てない球にどうアジャストしていくか。500打数から167安打を引いた333の凡打を、どうやってヒットゾーンにしていくかが課題です。

 具体的に言うと、「外角低めの球」「狙い球を絞れない時」のバッティング。落合さんならライト前に、バースならレフト前に軽打して、ヒットを稼ぎました。

 先述したように、村上はホームラン打者であって、その副産物が打点です。ヒットを増やすことにこだわりすぎると、本塁打を打てる球までヒットに終わってしまうかもしれない。それが続くと、「ホームランを打たなきゃ」という気持ちが働き、スイングが崩れる可能性がある。そこは気をつけないといけないでしょうね。

 基本、投手は打たれまいとして低めにボールを集めるわけですが、好打者は低め打ちが上手い。そうなると、相手投手にとってはインハイを使わざるを得なくなる。その攻めに、村上がどのように対応するのか注目です。

 村上に関しては、チームが独走しようが気の緩みはないでしょう。怖いのは死球とケガだけです。

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