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清原和博は本当に「甘やかされていた」のか。石毛宏典が振り返るルーキー時代の素行と育成 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Kyodo News

石毛が清原に注意したこと

――森監督にとって、清原さんをどう使っていくかは大きな課題だった?

石毛 やはり、高校野球界のスラッガーが入ってきたわけですから、どう扱ったらいいのかは考えたんじゃないですか。一方で、その頃にホームランを量産していた秋山幸二を4番に定着させるかどうかといった問題もありました。

 秋山を中心にした打順を考えた時に、「じゃあ清原はどこで使うんだ?」みたいなね。森監督もいろいろと悩んだと思います。最初にスタメンで起用した時は8番を打たせたりしていましたが、結果を残して徐々に打順を上げていった。「これは、ただ者ではないな」という打撃を見せつけていって、10月頃には4番に抜擢されたんです。

――石毛さんが清原さんを注意する、アドバイスする場面などはありましたか?

石毛 先輩後輩の関係ではありましたが、互いに個人事業主でもあったし、僕としてはチームの決めごとに沿ってやってくれたらいいんじゃないかと思っていました。教育するのは球団の仕事で、我々選手が口を出すところではない。球団には管理部門もありましたしね。

 ただ、遠征に出て試合に負けたあとの帰りのバスの中で、清原やデーブ(大久保博元)ら若い選手たちが後ろのほうに座って20分くらいペチャクチャしゃべっていたので、森監督やコーチたちがバスを降りたあとに、「お前ら! 球場から帰ってくる間の少しの時間くらい反省できないのか!」と喝を入れたことはありました。「石毛さんに言われるなら仕方ない......」といったような表情になっていましたね。

 あと、清原はお酒が好きなこともあり、試合前の練習で酒臭いこともあったんです。それに対しては僕も、「お前の人生だからとやかく言うつもりはないけど、酒が原因でミスを誘発して、チームの勝ち負けに影響するようなことはするなよ」と、一度だけ言ったことがあります。

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